文部科学省は3月31日、軍国主義時代に戦闘訓練の重要科目だった銃剣道を中学の体育に加えた新版「学習指導要領」を告示した。日本の教育に最近しきりに生じる「戦前思想」回帰の動きは、日本政治の右傾化が激化し続けていることの反映である。写真は国会。

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日本の安倍内閣はこのほど、第2次大戦前の教育勅語を学校教材として用いることを排除しないとする国会答弁書を決定した。文部科学省は3月31日、軍国主義時代に戦闘訓練の重要科目だった銃剣道を中学の体育に加えた新版「学習指導要領」を告示した。日本の教育に最近しきりに生じる「戦前思想」回帰の動きは、日本政治の右傾化が激化し続けていることの反映であり、日本国内と国際社会が警戒している。人民日報が伝えた。

■確定評価を覆す企て――教育勅語を再び持ち出す安倍政権
教育勅語は1890年に発布された、明治天皇の臣民に対する訓戒だ。戦時中、教育勅語は戦場に駆けつけ、天皇に命を捧げるよう国民を教え導くため政府に利用され、軍国主義教育の柱となった。第2次大戦終結後、連合国は学校における教育勅語の「奉読」と「神化」の禁止令を出した。1948年、国会は教育勅語の排除を決議した。すでに廃止された教育勅語が再び注目されるきっかけをつくったのは、安倍内閣の稲田朋美防衛大臣だ。稲田氏は「土地価格スキャンダル」の森友学園の幼稚園が園児に教育勅語を暗誦させていたことをかつて称賛。国会答弁では、教育勅語の精神を受け継ぐべきとの考えを隠さなかった。安倍晋三首相と昭恵夫人も森友学園の右翼思想教育を高く評価。

■批判を招く――学習指導要領に銃剣道を加える不適切なやり方
野党はこうした発言を批判。日本共産党の大平喜信議員は衆議院の会議で、教育勅語を道徳教育の教材にしてはならず、教育勅語がどのようにして子供たちを戦場に送り込んだのかという歴史を伝えるべきだと述べた。教育勅語騒動が収まらないうちに、文科省は中学体育に「銃剣道」を加えた新版「学習指導要領」を告示した。いわゆる銃剣道は、元々第2次大戦時の日本軍の日常訓練科目の1つだった。

文科省が2月に告示した新版中学学習指導要領草案には銃剣道は盛り込まれていなかった。パブリックコメント募集時に、全日本銃剣術連盟が銃剣術を加えるよう文科省スポーツ庁に求めた。学習指導要領には告示後ただちに批判の声が上がった。あるネットユーザーは銃剣道は「殺人武術」であり、人の急所を攻撃する武術を「学習指導要領」に加えるやり方は不適切だと指摘する。

■注視――戦前の価値観への回帰に警戒
専門家は、戦前の思想を体現する教育勅語が政権の中心人物に再び高く評価されていることは、最近の日本政治右傾化の具体的な表われだと指摘する。日本の教育界は戦争への反省に基づき、戦後長年民主主義を教育の基本原則の1つと見なし、大学での研究も軍事目的とは自ら距離を保ってきた。だが安倍氏は2006年に初めて政権に就くと、教育基本法を改正し、「愛国心」教育を強調した。2012年に政権に返り咲くと、教科書改訂を中心に「歴史修正主義」を推し進めた。2014年には「学習指導要領解説書」を改訂し、中韓両国との間で争いのある領土を「日本の領土」と教科書に明記した。戦争被害国国民の心情に配慮する「近隣諸国条項」を小中学校の歴史教材から削除した。

ニューヨーク・タイムズの駐東京記者は、森友学園のような教育機関は多くは見られないが、日本の政治と社会の右傾化の象徴であり、米国でも大変注視されていると指摘する。(提供/人民網日本語版・編集NA)