「出会い」の手段として、今や主流になりつつある婚活アプリ(マッチングアプリ)。ウートピ編集部が定期的に実施しているヒアリング調査によると、意外にも、20代後半から30代のオトナの女性もかなり積極的に活用している事実が見えてきました。ヘビーユーザーの中には、「出会い」には事欠かなさそうなCA(客室乗務員)や大手外資系に勤める女性もちらほら。

そこで、ウートピ編集部では、実際に婚活アプリを使用している女性たちにそのメリット・デメリット、さらには実際の経験談をヒアリングしてみました。

婚活アプリで本当にいい「出会い」は、見つかるのでしょうか? 前編では、婚活アプリのプラス面を見ていきます。

根気強く続けることが大事

浩子(仮名)・33歳・デザイン会社勤務・利用したアプリ:Omiai

前職は旅行会社に勤めていて、地方出張が多かった私。合コンも好きじゃないし、なかなか出会いがなかったので、28歳の時に思い切って婚活アプリを始めてみました。

私が相手に求めた条件は「年齢:27〜34歳/年収:500万円〜」という感じ。「できれば安定した職業がいいな」と思っていたので、公務員や大手のサラリーマン希望でした。始めた頃は、まずは「数を打とう」と思い、マッチングした相手とは積極的に会うようにしていました。

でも、事前準備はぬかりなく。メッセージのやりとりを始めた時点で、「すぐに会いましょう」という人、あまりにも返信が速い人、「仕事が忙しく、あなたに会って癒されたいです」というような発言や「仲良くなったら手つなぎデートとかしたいですね」と書いてきて恋愛依存型っぽい人や精神的に不安定そうな人は途中で離脱するなど、相手は厳選していました。とはいえ、事前準備では見抜けない点も。たとえば、プロフィールには「独身」としか書いてなかったのに、実際に会ってみると、「実はバツイチなんだよね」とカミングアウトされたケースもありました。

まずは5、6人と会ってみたんですが、大人しすぎてなかなか会話が弾まなかったり、弁護士など好条件でも写真と実物が違いすぎていたり、第一印象でピンとくる人に巡りあえず、「本当にいい人に出会えるのかなぁ……」と心がくじけそうになることも。

でも、「ここでやめても何もない。アプリを続けて、とにかく出会いを増やそう」そう思い直して根気強く探しました。仕事で地方出張もあったので、頻度としては、ひと月に2人くらいのスローペースで無理なく会い続けました。

そして、8人目にマッチングしたのが消防士の男性でした。もともと体育会系の人で、事前のメッセージでもノリツッコミをしてきた明るいタイプ。「この人とのやりとりは楽しいな」と感じていました。

実際の彼もやっぱり人懐っこくて、最初のデートでも会話が弾み、命がけで仕事に挑んでいる話や、家族の話をしてくれました。会った場所はカジュアルな居酒屋でしたが、気張らずおたがい自然体でいられてよかったと思います。しかも、注文する料理の好みも一緒。帰る頃には、「この人となら毎日くだらないことで笑いあって、楽しい日々を過ごせそう」という気持ちになっていました。

その後もデートを重ね、4回目のデートでつきあうことに。1年の交際を経て結婚、今では2児の母です。「出会いがない」なら、行動あるのみです。ユーザー数が多いので、当然ながらいろんな人がいますが、根気強く探せばちゃんとしたいい人もいますよ。

確かに、バツイチであることを隠していたり、「すぐに会いたい」と遊び目的で登録していたりする男性は、存在するようです。でも、マジメに婚活に励んでいる男性が多いのも、また事実。事前に「この人は大丈夫」という相手を慎重に見きわめれば、可能性のある出会いを掴めるんですね。

条件を絞ればスピードマッチングも可能

友美(仮名)・27歳・看護師・利用したアプリ:pairs

19歳から8年間付き合ったバンドマンの彼と昨年27歳で別れました。「19歳から彼しか知らない私はヤバい(笑)」と気づいて、とりあえず行動することに。最初は婚活アプリにはやっぱり抵抗があったんです。でも、「1ヵ月だけお試しで」と自分で期間を決めて、「pairs」を始めました。

正直、バンドマンとつきあっていた私は、相手に求める条件のハードルは低かったと思います(笑)。「とにかくマジメに働いてる人」が最低条件。使いかたもよくわからなかったので、自分からは「いいね!」せずに、男性からのマッチング申請を待ちました。

登録から3日後、最初にマッチングした彼(31歳)は向井理似のすごく優しくて穏やかな人(←こう書くとウソみたいだけど、実在します!)。メッセージのやりとりでも丁寧で優しい印象を受けたし、「顔がタイプすぎる!!!」という点が私の中では大きかったかな(笑)。「この人となら、会っても大丈夫そう」と安心できるところまで連絡を取り続けて、初デートにこぎつけました。

デートは渋谷のカジュアルなイタリアンでディナー。3回目のデートでつきあうことになり、1ヵ月半後には双方の両親にも挨拶を済ませ、トントン拍子で同棲が始まりました。

交際開始から半年が経ちましたが、結婚を前提につきあっています。婚活アプリ歴はたった1ヵ月なので、私の体験談が参考になるかわかりませんが、まともな人もいるものですよ。

婚活アプリは好きなだけ条件検索ができるので、つい高望みしてしまう人も多いよう。でも、彼女のように「収入」「身長」「学歴」といった条件を気にせず利用すれば、スピードマッチングで結果を出せる場合もあるんですね。婚活アプリに抵抗を感じているなら、「お試しで数ヵ月だけ」と決めてスタートさせるのもありかもしれません。

合コンよりマジメな男性に出会えた

春香(仮名)・31歳・客室乗務員・利用したアプリ:pairs

CAという職業柄、普段から合コンによく参加するんですが、合コンの出会いが恋愛に発展するかといえば、それは別の話。「CAは気がきく」「CAがいると華やぐ」という理由だけで呼ばれる場合もありますし。そもそも自社だけでもCAは約6000人いるので、正直、一流企業にお勤めで、普段から合コン三昧の男性にとってはCAなんか珍しくもなんともないんです。私自身も、正直そういう男性を恋愛対象として見ていませんし……。

「合コンでは出会えない」という結論に達して、友達からのススメで婚活アプリを使い始めた私。プロフィールに「客室乗務員」と書くのは少し勇気がいりましたが包み隠さず公開。「いいね!」はたくさん来たので、その中から「職種や顔写真をちゃんと公開している人」「派手に遊んでいなさそうな人」を精査していきました。マッチング後のやりとりでライフスタイルを聞いていくと、飲んでいる場所や店が特定できて、その人が派手なタイプかどうか感覚的に見分けられるんです。

婚活アプリを始めて気づいたのは、「合コンよりマジメな男性が多い!」ということ。中にはやっぱり軽いノリの人もいるけれど、「恋愛」を目的として登録している婚活アプリには「ちゃんといい恋をしたい」と考えてる男性もたくさんいるんです。1対1で会う分、合コンより時間をかけずに相手の本質がわかるので、カップルに発展する確立も高いのかも。

結局、私はアプリの利用開始から5人目に会った医師と、結婚を前提におつきあいしています。「頭がいい人」が好みだったので、医師という職業にはもともと興味がありました。ノリもよくて明るい人ですが、合コン嫌いで週末はひとりで過ごすか、男友達と過ごすタイプ。彼いわく、「合コンへ行けば、職業柄近寄ってくる異性はいるけれど、肩書きではなく、自分自身をちゃんと見てほしい」とのこと。他にも、いろいろとおたがいに共感できる部分があって、会話も盛り上がりました。

交際して半年が経ちますが、私ももう31歳ですし、CAという仕事は不規則で体力勝負な部分もあるので、「そろそろ結婚かな」という話が出ています。

普段から出会いに恵まれている女性でも、「婚活アプリの方がマジメな男性に出会える確率が高いかも」と感じる部分があるんですね。また、1対1の短い時間で相手をより深く知ることができるので、合コンより効率がよさそうです。

しかし、ヒアリング調査を進めていくと、婚活アプリのデメリットも出てきました。後編では、オトナ女子がアプリを利用して、実際に遭遇した事件とあわせてご紹介していきます。

後編はコチラから。

ウートピ編集部