2017年F1第2戦中国GPが上海インターナショナル・サーキット(全長5.451km、周回数56周)で開催されました。

金曜日、視界不良のためセッション運営に義務づけられている医療ヘリが飛べず、フリー走行1はセッションの大半が赤旗中断で最多周回はわずか8周。そして午後のフリー走行2では、コンデシションが回復せずセッションを行う事ができませんでした。

日曜日は更に天候が悪くなるという予報もあり決勝レースの開催が懸念されていましたが、無事にレースをスタートすることができました。よかったー!

決勝当日、雨は降っていないものの路面はまだ乾ききっておらず、タイヤのチョイスがレースの鍵に。濡れている場所では浅溝ウエットタイヤのインターミディエイトが有利ですが、乾いた場所では逆に遅くなってしまいます。

かといって最初からドライタイヤで走行すると滑ってスピンしてしまう恐れもある。でも、レースが始まればコース上に残っている水もはけ、どんどん路面が乾いてくるのでラップタイムも上がり、タイヤ交換のタイムロスがなくなるので順位のジャンプアップが期待できます。

各チームどちらのタイヤを選ぶのか、そしてどのタイミングでタイヤを変えるのかでレース展開が大きく変わっていきそうな予感! これは面白いレースになりそうです!!

スタート直前、タイヤウォーマーが外され見えてきたのはインターミディエイト! しかし、全20台中たった1台だけドライタイヤ(スーパーソフト)を装着していたのが11番手スタートのカルロス・サインツJr選手(トロロッソ)でした。勝負に出たサインツJr選手。吉と出るのでしょうか、それとも凶と出るのでしょうか……。

ポールポジションを獲得したのは、ルイス・ハミルトン選手(メルセデス)。2番手からは開幕戦の勝者、セバスチャン・ベッテル選手(フェラーリ)、3番手は今シーズンからメルセデスに移籍したバルテリ・ボッタス選手、そして4番手にはキミ・ライコネン選手(フェラーリ)が続きます。

いよいよシグナルがブラックアウトしレースのスタートです! 路面コンディションが悪い中での1コーナーへの飛び込みはドキドキものでしたが、大きな接触もなく一安心!と思っていたら、ターン10で、ランス・ストロール選手(ウィリアムズ)がイン側にいたセルジオ・ペレス選手(フォースインディア)と接触してグラベルに弾き出されリタイア。バーチャルセーフティーカーとなりました。

ここで動いたのが、2番手を走行していたベッテル選手。インターミディエイトからドライタイヤ(ソフト)に履き替えます。ベッテル選手を除く上位陣はそのままステイ。果たしてどちらの選択が正しいのでしょうか。

レース展開がますます面白くなってきた矢先、今度はアントニオ・ジョビナッツィ選手(ザウバー)がコントロールを失いウォールにクラッシュ。メインストレートにパーツが飛び散り、セーフティーカーが導入されました。

このタイミングで上位陣はドライタイヤに変更。先にタイヤ交換をしていたベッテル選手は残念ながら5位まで順位を落としてしまいました。

と、ここで上位争いに飛び込んできたのが、予選でエンジントラブルがあり19番手スタートだったマックス・フェルスタッペン選手(レッドブル)。後方からスタートするも、どんどん他のマシンをオーバーテイクしていき、8周目にはライコネン選手をパス。そして11周目にはチームメイトのダニエル・リカルド選手をパスし2位に浮上します。

タイヤ交換直後のセーフティーカー導入により、順位を下げる結果となってしまったベッテル選手もここで諦めるわけにはいきません。

リカルド選手、ライコネン選手と表彰台をかけた3位争いを繰り広げます。全マシン、ドライタイヤを装着したものの、まだ濡れている場所もあるのでオーバーテイクは相当のリスクが伴います。それでも、素晴らしい走りでベッテル選手はチームメイトのライコネン選手をパス。

22周目にはリカルド選手との激しいバトルの末、3位に浮上。タイヤ同士を接触させながらのサイドバイサイドはしびれました!

リカルド選手をパスしたベッテル選手は、今度はフェルスタッペン選手を追い掛け、すぐ後ろまで迫りプレッシャーをかけ続けます。29周目、ミラーで後ろのベッテル選手を確認していたフェルスタッペン選手が痛恨のミス! 左フロントタイヤを激しくロックしてしまい、ベッテル選手に先を越されてしまったのです。

そしてラスト10周、3位表彰台をかけレッドブルのチームメイトバトルが勃発! フェルスタッペン選手は前を走る周回遅れのマシンに、早く道を空けるよう無線でチームに何度も訴えます。リカルド選手は、最後の最後まで諦めずに仕掛けていきましたがフェルスタッペン選手が見事3位を守り切りました。

スタンドを埋め尽くすたくさんのファンに見守られるなか、ハミルトン選手が完璧な走りで今シーズン初優勝! タイヤ交換のタイミングで一時は5位まで下がったベッテル選手も2位フィニッシュで、フェラーリの速さを見せつけました。

さて、話は冒頭に戻りますが、スタート時に一人だけドライタイヤを履いていたサインツJr選手。スタート直後、スピンしてしまい最後尾まで順位を落とすも、その後他のマシンがドライタイヤに変えタイヤの温まりで苦しんでいるなか、ファステストラップを叩き出しながら見事7位入賞! スタート時のスピンが悔やまれるものの、ただ一人勝負に出たサインツJr選手は最高にかっこよかったです!!

難しい路面コンディションでチームのタイヤ戦略とドライバーの実力が試され、ドキドキ、ワクワクする楽しい中国GPでしたが、私的に印象に残っているのがハミルトン選手の優しさ。

中国GPのグランドスタンドは、毎年ドライバーの応援フラッグを持ったファンで埋め尽くされるのですが、今シーズン初優勝を勝ち取ったハミルトン選手の人気も絶大で「Team LH」と書かれた応援フラッグがたくさん振られていました。

実はセッションを行うことができなかった金曜日フリー走行2で、ハミルトン選手は寒空の中セッションスタートを心待ちにしていたファンがいるグランドスタンドへ駆け寄り、その場でチームキャップにサインを書きプレゼントしたのです!

スタンドにいたハミルトン選手のファンは大興奮!! フリー走行を見ることができなかったのは残念でしたが、きっと忘れられない、最高の思い出になりましたよね。それにしてもハミルトン選手、やることがかっこよすぎ! テレビで見ながら私も大興奮でした。ファン想いなハミルトン選手が、この中国GPで優勝できて本当に良かったです!!

中国GPリザルトは以下の通りです(ポイント圏内のみ)。

順位/No./ドライバー/チーム
1/#44/ルイス・ハミルトン/メルセデス
2/#5/セバスチャン・ベッテル/フェラーリ
3/#33/マックス・フェルスタッペン/レッドブル
4/#3/ダニエル・リカルド/レッドブル
5/#7/キミ・ライコネン/フェラーリ
6/#77/バルテリ・ボッタス/メルセデス
7/#55/カルロス・サインツJr/トロロッソ
8/#20/ケビン・マグヌッセン/ハース
9/#11/セルジオ・ペレス/フォースインディア
10/#31/エステバン・オコン/フォースインディア

(yuri)

かっこよすぎるファンサービスに感動!難しいコンディションの中、ルイス・ハミルトンが今季初優勝【2017F1第2戦中国GP】(http://clicccar.com/2017/04/11/461848/)