桜満開、お花見シーズン。桜が咲き乱れ、そして散る風景は、やはり絵になる。
そして今、お花見に公園に出かけると時々遭遇するのが、コスプレイヤーたちが桜をバックに写真撮影をしているシーンだ。

Twitter上でも、お花見に公園に出かけたとき、偶然、コスプレイヤーたちが撮影をする「コスロケ」に遭遇したというツイートがちらほら見られる。







実はこのコスロケを、旅先の観光地で行うことを「コス旅」と呼ぶらしい。

コスプレイヤーの間ではすでに常識となっているようだが、世間からすれば「そんなことしてるの?」と驚くことだろう。

もしかしたら、コスプレ願望があり、「自分もやってみたい」という人もいるかしれない。

果たしてこのコス旅とはいったいどんなものなのか?
ちょっと調べてみると、どうやらコス旅にはマナーがあるらしい。

そこで鳥取県の中部の観光地におけるコス旅をサポートする「鳥取中部コスプレ受入コンシェルジュ」に、コス旅やコス旅マナーについて聞いてみた。

コス旅の初歩マナー


まず知っておきたいのが、コス旅では、勝手に観光地に行って、勝手に撮影してはいけないということだ。撮影スポットや宿泊施設へは、事前許可や問い合わせが必要になる。

そうした手間を軽減してくれるのが、鳥取中部コスプレ受入コンシェルジュだ。鳥取中部の撮影スポットを紹介してくれ、許可取りや撮影日の調整まで無料で行ってくれるそうだ。
今回は、担当の宇野さんに話を聞いた。まずはコス旅の初歩マナーを教えてもらった。

1.撮影は許可が必要
コスプレをして写真やビデオ撮影を行う際には、それぞれの場所を管理している施設や市町、観光協会などに許可を取る必要があります。コス旅に出かける前に、管理しているところに問い合わせましょう」

2.公共トイレでの更衣はNG
コスプレの更衣は、公共トイレで行うのはマナー違反です。トイレは公共の場なので、一般の利用者の妨げになります。イベントとは異なり、専用の更衣室はなかなかないので、コス旅の場合、更衣室のみ利用できる宿泊施設に依頼して利用します」

3.一般の利用者も訪れるスポットでの撮影は、節度を守る
「露出の多い衣装の場合、撮影時以外は上着などを着用されるなどの配慮を欠かさずに」

もしコス旅にチャレンジにしたいなら、ぜひこれらのマナーを押さえておこう。

コス旅経験者も意外と知らないコス旅知識



宇野さんによれば、コス旅をすでに経験している人でも、意外と知らないマナーもあるという。

1.ものによっては持ち込みNGなものも
「模造刀や血糊などの持ち込み物の使用可否については、あらかじめ利用するスポットに確認を取っておく必要があります」

2.施設内に更衣場所があることも
「屋内の撮影スポットでは、施設内に無料で更衣場所を設けているところも多くあります。一度問い合わせてみるといいでしょう」

3.上着を羽織れば出入り可能な旅館も
「一部の旅館では、上着を羽織るなどすれば、コスプレ衣装のまま出入りできる場合もあります」

どんな作品が人気?


鳥取中部に訪れるコスプレイヤーたちの間では、どんなアニメやゲーム作品のコスロケが人気なのだろうか。宇野さんに尋ねてみると、「刀剣乱舞(とうけんらんぶ)」、「剣が君」、「銀魂」、「薄桜鬼〜新選組奇譚〜」という答えが返ってきた。

「刀剣乱舞」「剣が君」「薄桜鬼〜新選組奇譚〜」はゲーム作品、「銀魂」は漫画・アニメ作品だ。

いずれも、鳥取中部の神秘的な風景のあるスポットに、和風の衣装が映えそうな作品のようだ。

また、鳥取中部で特に人気の撮影スポットは、「鳥飼家住宅」や「今滝・不動滝」だという。

鳥飼家住宅は、江戸時代に大鳥居村の庄屋を勤めていた「鳥飼家」の住宅で、鳥取県保護文化財に指定されている建物だ。入母屋風の茅葺屋根には風情がある。

今滝と不動滝は、信仰と修行の場として尊ばれてきたという神秘的な場所。老樹に囲まれた大滝は、撮影場所としては好適だという。

コスプレをして撮影することで、同じ観光地でもまた違った楽しみ方ができそうだ。
そういう意味でも、コス旅は、旅の新しい楽しみ方といえるかもしれない。

(石原亜香利)

取材協力
鳥取中部観光推進機構 鳥取中部コスプレ受入コンシェルジュ
鳥取中部コスプレ受入コンシェルジュとは、コスプレイヤーに向けて鳥取中部の撮影場所を紹介し、撮影日の調整や許可申請まで無料で提供するサービスです。鳥取中部の山と海に囲まれた自然や秘境のようなスポットを背景に撮影ができます。このサービスに申し込むとコスプレ撮影と観光をいっぺんにできちゃいます。
http://www.nashinohana.com/cos/