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■どんなクルマ?

TSIはGTI、TDIはGTDと(ほぼ)同じ

スコダの最もホットなグレードであるvRSだが、Bセグメントのファビアの現行モデルでは設定されず、フラッグシップのスパーブには開発時点で用意されないことが決定された。

したがって、現在vRSはこのオクタビアにのみ存在する。今回、オクタビアのフェイスリフトの一環で、vRSも仕様変更。新規デザインの適用だけでなく、2.0 TSIユニットのパワーアップも実施し、標準仕様は10psアップの230psになったほか、245ps版も近く登場予定だ。そのTSI仕様は、基本的にフォルクスワーゲン・ゴルフGTIがベース。

対して、今回の試乗車はディーゼル・モデルで、英国市場ではこちらの方が支持を集めるだろう。184psの2.0TDIなど、メカニズムはゴルフGTDに準じたものだが、フォルクスワーゲン版の兄弟車では選択できない4WD仕様が設定されている。

定評あるオクタビアの実用性はそのままに、フェイスリフトでは機能面を向上も図られた。新型の「i.e.」インフォテインメント・システムや最新の安全デバイスが装備されるのだ。

■どんな感じ?

「ふつう」という旨味

予想できなかったわけではないが、改良前と大きく変わるところはなかった。

しかし大柄で、非常に柔順で、やや屈強さが感じられ、そして実に価値のあるクルマであることは変わりない。

vRSは標準モデルより車高が15mm低いが、脚回りを固めたことによる快適性の損失はわずか。アダプティブ・ダンパーは標準装備で、高い動力性能を無闇に求めるよりも、思い通りに向きを変えるハンドリングを楽しむ類だ。

またディーゼル・エンジンは、このvRSのベスト・チョイスではないだろうか。正直、目がくらむほどの速さを求めるモデルではないからだ。

2.0 TDIはアウディが導入し始めた190psの最新バージョンではなく、DCTもゴルフGTDが7段であるのに対してこちらは6段だが、パワートレインは癖がない。

頼れる「お利口さん」

ドライ・コンディションでは、4WDシステムは85kgのバラストになるばかりで、30mmのリア・トレッド拡大でますますスタビリティが向上したシャシーのダイナミクスも大きな意味を持つものとはならない。

しかし、都合のいいことにオーストリアの試乗会場は3時間にわたる土砂降りに見舞われた。川のようになった道路は、vRSのシャシーがその才気を顕すには絶好の舞台だ。

低速コーナーは自信を持ってクリアでき、加速でも挙動を乱すことなく、高速での追い越しも平然とこなせる。

予想していた通り、その頼れる感じはオクタビアにふさわしいものだ。プログレッシブなステアリングは精確で懐が深く、エンジンは爆発的なパワーこそないものの反応に優れ、タイム・ラグなくドライバーを駆り立ててくる。

もちろん、艶やかなガラス・ディスプレイのインフォテインメント・システムやデキのいいアルカンターラ・シート、エルゴノミクス的に抜け目のないダッシュボードや広いキャビンやトランクなど、実用面の長所はvRSでも失われてはいない。

■「買い」か?

買うならば4WD

素晴らしい全天候型スポーツ・セダンに、直接的なライバルは見当たらない。ずずば抜けて速くはないが、それを望むなら、これよりハイ・パワーなTSI仕様を選ぶことができる。それよりこのTDI仕様は、4WDによる悪条件下での走行性能にこそ、価値を見出したい。

セダンで£28,130(386万円)、ワゴンで£29,330(402万円)は安くはないが、前輪駆動モデルとの£1,490(20万円)という価格差はそれほど大きなものではない。

速さと実用性のバランスに優れ、そこに4WDの安心感も加わるとなれば、手頃な価格だと言える。

スコダ・オクタビアvRS 2.0 TDI DSG 4×4

■価格 £28,130(386万円) 
■全長×全幅×全高 4685×1814×1449mm 
■最高速度 229km/h 
■0-100km/h加速 7.6秒 
■燃費 19.6km/ℓ 
■CO2排出量 134g/km 
■乾燥重量 1475kg 
■エンジン 直列4気筒1968ccターボ・ディーゼル 
■最高出力 184ps/3500-4000rpm 
■最大トルク 38.7kg-m/1750-3250rpm 
■ギアボックス 6速デュアル・クラッチ