4月10日の夜に自身のブログで引退を表明した浅田真央。各界の著名人から労いの言葉が相次いでいる。(C) Getty Images

写真拡大 (全2枚)

 4月10日の夜、スケート界に激震が走った。
 
 朝起きてテレビをつければ、どのチャンネルも「真央ちゃん引退」のニュースばかり。フィギュアスケートの魅力が浅田真央ちゃんの演技から、真央ちゃんが歩んできた歴史から感じられ、そして引退を発表したブログでの一言一言が僕の胸に強く響いた。
 
 今回のコラムは、「サッカー文化」というテーマで用意していたのだが、それは次回以降にして、ホットな話題である「浅田真央ちゃん」に何を感じたかについて書いてみようと思う。
 
「真央ちゃん、真央ちゃん」と連呼しているが、残念ながら僕は面識がない。同じスポーツ界にいるのだから、少しは接点がありそうだが全くない。
 
 それでも彼女を応援するサポーターのひとりであり、サッカーでたとえれば日本代表を応援する現地にいったことのないサポーター、といったところだ。
 
 いろんなことを言うファンのひとりなのである。そして彼女には必ず「ちゃん」をつけてしまう。弟のカズを知らなくても「カズ」と呼び、僕のことは「ヤス」と呼ぶように……。
 
 テレビでは、真央ちゃんがスケートを始めた5歳当時の映像が流れていたが、僕たち兄弟も5歳からサッカーボールを蹴っていた。
 
 好きで始めたものを辞める日が来る――。少し寂しいことだ。
 
 浅田真央が「浅田真央ちゃん」ではなく、浅田真央のままであれば、フィギュアスケートをやめる必要はない。たとえ一線を退いたとしても、好きな日に誰にも言わず、浅田真央としてまたやりたくなったらやれば良い。
 
 しかし、今の日本を背負う、日本を代表するフィギュアスケーターという意味では、話はまた変わってくる。彼女だけではないが、どんなスポーツでも引退を世間に知らせなければいけない選手がいる。
 
 これはすごく幸せなことなのである。
 
 好きなサッカーで、好きなスケートで、生活をし、仲間を増やし、愛され、期待され、知ってもらえる。
 
「スケート人生に悔いはない」と言える日が来た真央ちゃんは、やはり日本を代表する愛されるべきフィギュアスケーターなのだ。
 
 この世界の26歳での引退は早いのか遅いのか分からないが「スケート人生に悔いなし」と綴った文章を考えると、これからの彼女の人生も本当に楽しみである。
 
 フィギュアスケートで活躍した元選手がテレビでキャスターなどとして出演しているが、魅力を感じる人が多い印象を僕は持っている。
 
 アイスリンクの上で美しさを表現するフィギュアスケート。演技が終わった瞬間に感情が解き放たれ、時には滑っているまさにその時に表情やしぐさに感情が現われることもある。
 
 そんな世界から、若くして数多くの経験をしてきた彼女が、日本に伝えてくれることが何なのか。それがまた、楽しみでたまらないのだ。
 数多くのプレッシャーと試練を乗り越え、引退を悔いなく決断できた彼女は素晴らしい女性だが、今後はどう生きていくのか?
 
 あの可愛いらしく純粋な気持ちで、ひたすら新しい挑戦に向かって行くだけだった子どもの頃の彼女の表情から、多くのプレッシャーを背負いながら滑り続けたであろうアスリートとしての彼女の表情。これからは好きなようにひとりの女性として、人間として、元日本代表として人生を楽しんでほしい。
 
 もちろん、今後は恋愛や結婚という話題に繋がっていくのであろうが、やはりスケート界やスポーツ界、世の中に対して、影響のある何かを真央ちゃんの魅力で発信してほしい。
 
 現在では羽生結弦くんや宇野昌磨くん。女子では本田真凛さんに村上佳菜子さんと才能ある選手が大勢いる。正直、真央ちゃん以外は詳しくは分からないが、アイスフィギュアスケート界はこれからも、さらに人気と実力をつけていきそうだ。
 
 フィギュアスケートの会場といえば、いつも満員御礼に見えるものだ。そしてテレビは、民放局でも放送している。大きなスポンサーもついている。
 
 サッカー界も良い刺激にしていくべきだ……。
 
 そして僕自身も彼女、彼らから学ぶこと、スケート界から学ぶことが多いような気がする。
 
 とりわけ、引退を表明した真央ちゃんから学ぶことは多い。悔いのない仕事の仕方を極めなければと。
 
 ソチオリンピックでのフリー演技。あの時、応援する立場として分からなかったあの演技の凄さを今朝、気付かされた。
 
 上手く飛べない事もある。上手く蹴れない時もある。
 
 それでも決して諦めないで全力で臨むこと。覚悟を決めた演技。プレッシャーが解けたのではなく、覚悟の誇りの演技だったのである。
 
 そして悔いを絶対に残してはいけない。
「悔いのない人生」素晴らしい言葉だと思う。
 
 僕は、そう言える日が来るのであろうか……。
 
 お疲れさま、そしてありがとう!
「浅田真央ちゃん」
 
2017年4月11日
三浦泰年