xiangtao / PIXTA(ピクスタ)

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 GE、マイクロソフトをはじめとした米国の名だたる企業において半年や1年など定期的に人事評価を実施することを見直す動きが加速しているという。全社で一斉に一定時期に評価を実施することをやめ、随時評価に移行しているのだ。定期評価をやめることなど出来るのか、評価にかかる負荷は増大しないのか。

◆「No Ratings」が日本企業を救う?!

 マネージャーになれば半年か1年ごとに、「人事評価を実施してください」と通知が来る。たいていは期末や期初など多忙な時期と重なるため、多くの部下を抱える評価者なら「この間、やっと全員の面談が終わったと思ったら、また始まるのか。」と、愚痴のひとつもこぼしたくなるだろう。

 その「定期評価」をやめる動きが、今、企業に広がりつつある。例えばSAPジャパンでは、今年度より年次の評価レーティングを廃止する。評価者は日常のマネジメントを通じてリアルタイムで評価とフィードバックを行うという。このような動きは主に米国企業で先行して見られており、年次評価の廃止(No Ratings)は、次世代の人事施策としてホットな話題となっている。

 しかし1990年代後半から2000年代にかけて、米国発の「成果主義」に日本企業がさんざん振り回されたことは記憶に新しい。その試行錯誤の結果、日本企業には独自の成果主義的人事制度が育っている。「No Ratings」をそのまま移植しても同じような効果は得られないだろう。そこで日本企業における実現度を探ってみよう。

◆「No Ratings」とは何を指すのか?

「No Ratings」は、制度上は2つのポイントに分けられる。「年次査定の廃止」と、「定期評価の廃止」だ。この2つは必ずしもセットで導入しなければならないものではない。導入の是非を検討する際も、この2つを分けて論じたい。

「年次査定」は昇給や賞与に反映され、相対評価で決められている場合が多い。例えばS〜Dの5段階査定であれば、成績上位5%がS評価、10%がA評価……という具合だ。「定期評価」は評価基準にもとづいて、評価者が一定時期に一斉に評価を実施することだ。「定期評価」の結果をもとにして、「年次査定」が決まるという関係だ。

 この2つのうち、仕組みのうえで先に立つ「定期評価の廃止」にフォーカスを当ててみよう。

◆なぜ評価は「定期」で行われるのか

 そもそも、なぜ多くの企業で半期や1年などの「定期」で一斉に評価が行われているのか。それは、評価制度が賃金決定システムに従属しているためである。

 日本の企業では賞与支給は年2回、昇給は年1回実施されるのが一般的だ。それらを決めるために評価が存在しているため、毎年同じ時期に全社一斉に評価を実施することになる。

 しかし、読者の皆さんは、自身が評価される側として、あるいは評価をする側として、このように感じたことはないだろうか?

「正直なところ1年前の面談でどんな話をしたかなんて覚えていない。どうせならもっとタイムリーに面談を実施しないと意味がないのでは?」「今のビジネススピードに、半年や1年という目標設定スパンは適しているのか?期中の目標修正のたびに評価上の目標も修正しなければならず、手間がかかってしょうがない」

◆「定期評価」はすでに評価制度の足枷となっている

 成果主義の導入で「個別のパフォーマンスに基づいた評価」を宣言した結果、その「個別」の理由を説明することが必要となった。いわゆる「評価フィードバック」の実施である。さらにMBO(目標管理制度)を導入した企業では、目標設定・進捗管理・達成後の振り返り面談も実施されている。

 また、年功序列・終身雇用を前提とした会社と社員の関係が再定義されるに従い、大企業を中心に社員のキャリアサポートを目的とした面談も導入された。キャリアディベロップメントプログラム(CDP)である。評価面談との連携を進めている企業もある。