朝鮮半島近海へ向け航行中の米原子力空母・カールビンソンを中心とする「空母打撃群」で、朝鮮半島情勢が一気に緊迫度を増してきた。

北朝鮮の軍事的挑発をけん制する狙いにとどまらず、米朝の武力衝突の可能性はあるのか? アメリカの圧力に北朝鮮はどう対応するのか? 米朝衝突の場合、日本の防衛策は大丈夫か? 専門家が参加し引き続き緊迫の朝鮮半島情勢を探った。

カールビンソンは排水量約10万トン、全長333メートルで乗組員6000人、戦闘機70〜80機を搭載し、さらにミサイルも発射できる。その周りには5000トン級のイージス艦8〜10隻が囲み「空母打撃群」を構成している。

その威力は、軍事ジャーナリストの西村金一軍事ジャーナリストによると、「北朝鮮の海・空軍基地をすべて掌握しており、全滅させることができる」と言う。ただし北朝鮮の持つ移動式弾道ミサイルの場所は把握できておらず破壊できない。アメリカが先制攻撃で叩くと、韓国、日本が弾道ミサイルの標的になる可能性も考えられる。

スタジオには、小此木政夫・慶応大名誉教授と小川和久・静岡県立大特任教授が参加。まずアメリカの先制攻撃の可能性について小川教授は、国際法上は先制的自衛として攻撃はあり得ると次のように指摘する。

「放っておくとヤバいから叩いてしまおうという予防的自衛は禁じられているが、自国に脅威が及びそうだという認識での先制攻撃をする先制的自衛は許されている。

ただ、反撃能力が限られているシリアと違い、アメリカが武力行使すれば、北朝鮮は韓国に大量のロケットを打ち込んでくる能力があり、場合によっては弾道ミサイルを日本にも打ち込んでくるのでそう簡単ではない。

したがって北朝鮮にとことん圧力を強め、北朝鮮にとってのプレッシャーはこれまでと比べ相当大きいと思う」

では、北朝鮮はこのプレッシャーをどのように受け止めるのか? 小此木教授は「北朝鮮は圧力に屈したイメージを作りたくないので強がりをやるであろう。瀬戸際政策の一環として核実験ぐらいはやらないと示しがつかない。それと反撃はできるぞと準戦時状態の宣言をする可能性はある」とみる。

米の攻撃受ければ北朝鮮は報復攻撃

さらに、もしアメリカが先制攻撃に踏み切った場合、北朝鮮はどう出るか? 小此木教授は「報復攻撃に出る可能性が大きい。何もしないと体制崩壊につながってしまう。やられたことでそれも韓国に対し報復する可能性が高い」という。

その場合、日本にミサイルが飛んでくる可能性も否定できないが、防衛策は大丈夫なのか? 小川教授は「海上自衛隊のイージス艦6隻のほかに横須賀が母港のアメリカのイージス艦は12隻あり、全てミサイル防衛能力を持っている。それに『空母打撃群』が加わり、ある程度、防御策はある」と言う。

先制攻撃の核になるカールビンソンを中心とした「空母打撃群」が朝鮮半島近海に到着するのは2週間後の今月(2017年4月)25日ごろという。