<マスターズ 最終日◇9日◇オーガスタ・ナショナルGC(7,435ヤード・パー72)>
 マスターズはセルヒオ・ガルシア(スペイン)がジャスティン・ローズ(イングランド)との一騎打ちを制し、プレーオフの末に悲願の初メジャー制覇を成し遂げた。
 テレビ中継で解説を行っていた中嶋常幸から何度も驚きの声が聞かれたのは、15番ロングホールのセカンドショットの場面。松山英樹やトーマス・ピータース(ベルギー)優勝したガルシアと、セカンドショットで持つ番手の短さを見てショートアイアンもしくはウェッジであったことに中嶋は驚嘆していた。
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 15番ホールは初日や2日目など、寒くて風向きが悪ければグリーン間近まで迫る池を避け、三打目勝負をするケースも多々ある。コンディションがいい日でも、セカンドショットでロングアイアン以上を持たされることから、池のリスクを取った上でイーグルを狙いに行くホールというのが常識。
 最終日は松山、ピーターズ、ガルシアが目を疑うほどの短いアイアンで、ピンの真上から落として止めるショットを見せ、中嶋はこのような素直な感想を漏らしたのだろう。そして、15番ホール以外でも多くの選手の350ヤード超えのティショットが度々見られた。PGAツアーのトップ選手はランディングの傾斜や条件次第で350ヤード超のティショットが当たり前のようだ。
 ローリー・マキロイ(北アイルランド)は1番ホールで連日350ヤード近く、2番では2日間380ヤード越えのティショットを披露。ガルシアも最終日は2、8、9、11番で350ヤード級のティショットを放っている。これは勝負のかかる最終日かつ、誰もが勝利を欲するマスターズだからアドレナリンが出たとの見方もできるが、PGAツアーがディスタンスゲーム化していることを日本のゴルフファンは改めて目の当たりにさせられた。
 プロコーチの中井学は、背景に弾道計測器トラックマンの存在を指摘する。
「PGAツアーでは数年前から選手個人でトラックマンを導入するのが当たり前になり、インパクトゾーンで何が起きているかを正確に把握できるようになりました。例えば、アタックアングル(入射角)をどう変えれば飛距離を伸ばせる余地があるかなど、データが如実に見えるため、インパクト条件の改善が促進していることは間違いありません。選手個々でスイングの見た目や改善のアプローチは違うものの、高打ち出し・低スピン・高初速の飛びの三要素の追求がトラックマンの導入で実現できます。そのため、全体的に飛距離の出る選手層が増えているのだと思いますね」
 また、優勝したガルシアが37歳にして大きな飛距離アップに成功している理由は、最新ギアの低スピンな性能面も非常に大きいという。
「彼が「神の子」との異名で登場した18年前は、43.5インチの短いドライバーで圧倒的な飛距離を誇るタイガー・ウッズの全盛期でした。ガルシア選手も重く短いドライバーを使用してきて、当時から飛ばない方ではないものの、ツアー屈指の飛ばし屋だったわけではありません。彼はデビュー当時から今も強烈なタメの深さが代名詞です。そのため、長いクラブは使いづらいしバックスピン量がどうしても多くなってしまいます。ずっと昔からスピンを減らす努力をしてきた中、ドライバーもボールも最新ギアの低スピン化がここへ来て完全にプラスに働いています。また、タメが強く長いドライバーでも、ダウンスイングで体を後ろに倒して鈍角な入射角でスピン量を減らすことに成功しています」
 最終日の終盤に中嶋が「ガルシアはこの(酷い)パッティングの状態でこの位置にいれるなんて」と語っていたが、37歳を迎えてますます飛距離アップを果たし、コースをねじ伏せる力強いプレーを見せつけたガルシア。体が大きくなくても最新ギアやフィットネスなど科学的な側面から進化が可能だと、これから世界を目指す日本人に何が必要かを示してくれたのではないだろうか。今週「東建ホームメイトカップ」で開幕する日本男子ツアーでも小田孔明は「175センチくらいのガルシアや(リッキー・)ファウラーの飛ばし方は日本人には大いに参考になる」と語っており、ガルシアの飛ばしは少なからず見た人へ衝撃を与えたようだ。
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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