By Prachatai

2016年に韓国の棋士イ・セドル九段との「人工知能vs人類最強棋士」勝負を制したGoogle傘下「DeepMind」の人工知能「AlphaGo (アルファ碁)」が、2017年5月から始まる3番対決で中国の最強棋士である柯潔(か・けつ)九段と対決することが決まりました。

Exploring the mysteries of Go with AlphaGo and China's top players | DeepMind

https://deepmind.com/blog/exploring-mysteries-alphago/

DeepMind’s AlphaGo takes on world’s top Go player in China | Ars Technica UK

https://arstechnica.co.uk/information-technology/2017/04/deepmind-alphago-go-ke-jie-china/

この勝負は、中国浙江省にある水の都・烏鎮 (うちん)で開催されるイベント「Future of Go Summit」の中で行われるもの。囲碁発祥の地とされる中国において囲碁の将来を考えるイベントとなっており、中国が満を持して送り込む国内最強プレイヤーとアルファ碁の本格対決が実現します。

アルファ碁との戦いに挑む柯九段はこれまでにも数々の世界大会を制しており、19歳の若さにして「中国最強」の地位を確かなものにしている棋士です。中国の棋士ランキングである「中国囲棋棋手排名」では2015年から2年連続で1位を獲得しており、2017年4月時点でも1位にランクされています。以下の写真は、Googleのサンダー・ピチャイCEO(中)に見られながら碁を打つ柯九段(右)の様子。



2016年6月、柯九段は「アルファ碁はイ・セドルに勝てても私には勝てない」とコメントしていました。そして今回、ついに両者の直接対決が実現することになりました。全部で3試合を行う三番勝負が行われて勝敗が決まります。

「アルファ碁はイ・セドルに勝てても私には勝てない」とコメントした世界ランクトップのカー・ジエ九段がAlphaGoと対局 - GIGAZINE



アルファ碁がイ九段に勝利したことで、「人間はもうコンピューターに勝てない」「碁は終わった」という声も上がっていますが、DeepMindのデミス・ハサビスCEOはこの見方に違う意見を述べています。アルファ碁による碁のプレイスタイルは人間のものとは違うものが含まれており、いわば碁に新しい見方を与えたことで、碁の世界はさらに活性化するとしており、ハサビス氏はブログの中で、周睿羊九段が語った「アルファ碁のプレイは『不可能な手などない』と教えてくれ、私たちを自由にしてくれる。今や、皆がこれまでに試したことがなかったスタイルを試すようになっている」という言葉を引用して、アルファ碁が新しい世界を拓いたことを記しています。

「Future of Go Summit」は、2017年5月23日から27日にかけて開催され、上記の「人工知能vs人間の頂上決戦」の他にも、アルファ碁vs5人の中国プロ棋士チームによる対決などが行われる予定。はたして二たび開催される頂上決戦の行方がどうなるのか、またもや注目は集まりそうです。

なお、DeepMindはイ九段との勝負で1敗していたことを受け、アルファ碁の改良を行っています。2017年1月には、非公開で行われた碁のオンライン対局の中でアルファ碁であることを隠して人間のプレイヤーと対決を行い、なんと50勝1引き分けという戦績を残しています。さらに、この引き分けは、ネット回線が切れたことが原因だったとのこと。しかもこの対戦相手の中には柯九段も含まれていたというから驚きです。