グーグル、インド音楽ストリーミング市場に参入 低料金で勝負

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インドの音楽ストリーミング市場は、スマートフォンの急速な普及と若年層における需要の増加に伴い、安定的な成長を続けている。音楽ストリーミングサービスのユーザーは、2020年には2億7300万人に達すると予想される。

そうした中、グーグルは4月上旬からインドで定額制の音楽ストリーミングサービス「グーグルプレイ・ミュージック」を開始した。同国ではすでに、地元企業のSaavn(サーヴン)、Gaana(ガーナ)、Airtel(エアテル)など複数社が同様のサービスを提供しており、競争は激しい。

アップルは既に「アップル・ミュージック」で同市場に進出。アマゾンも2018年には、「アマゾン・プライムミュージック」のサービスを開始すると見込まれている。

成長が著しいこの市場への進出において、グーグルは出遅れたとも言えるだろう。だが、月額を「競争力ある」水準に設定したことで、ブランド認知度の向上を推進することができるだけでなく、長期的には音楽ビジネス部門から安定的な売り上げを得ることが可能だと予想される。

インドのストリーミング音楽市場の規模は、現時点では小さいものだ。だが、成長のペースは速い。KPMGコンサルティングの調査によると、向こう数年内に金額ベースで世界トップ10以内に入る音楽市場に成長すると見られている。

インド市場では現在、合法的な音楽(曲)の購入は全体の10%に満たず、著作権侵害が非常に大きな問題となっている。だが、スマートフォンやインターネットの急速な普及に伴い、デジタルストリーミングを利用する人が急増している。低料金で定額制の音楽ストリーミングサービスが利用可能になれば、「合法かつ便利」な方法で購入しようとする人が大幅に増加することになるだろう。

「アプリ・ベース」の成長戦略

インドはグーグルの将来にとって、重要な市場だ。同国での売上高は、過去2年間に倍増したと伝えられている。新サービスについては、月額料金をより低く設定することで、競争力を高めたい考えだ。また、サービス加入者向けに無料でクラウドストレージ・サービスを提供するほか、モバイルデータの通信量の上限を最低水準に設定したプランを提供している。

ただ、既に競争の激しい同市場に参入しているその他の企業は、コンテンツに基づく他社との差別化を図っている。サーヴンは加入者向けに音楽以外の「サーヴン・オリジナル・コンテント(Saavn Original Content)」の提供を開始。アップル・ミュージックは地元アーティストらと協力して、独自のコンテンツを制作している。

一方、中国の検索エンジン大手バイドゥ(百度)などはアプリを使ったサービスの提供を戦略に掲げ、インド市場への参入を狙っている。グーグルがインド市場で確固たる地位を確立するためには今後、アプリ・ベースのサービスを増やしていく必要があるといえる。

インドの音楽ストリーミング部門はまだ初期の段階にあるが、成長の可能性は非常に高い。グーグルは進出が遅れたものの、ブランド価値の高さと技術面で有利に立つという点は、強力なプレーヤーとしての立場を確立していく上で役に立つだろう。

さらに、グ-グルプレイ・ミュージックは短期的には、インド市場での売上高に大きな影響を及ぼすことはないと見られる。それでも、今後の売上高を底上げしていくことにはなるはずだ。成長著しいインド市場において今後、同社がより強固な立場を築いていくことを後押しするだろう。