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Windows 10 Creators Update (バージョン1703) は、4月11日 (以下すべて米国時間) からWindows Update経由で配布される予定だが、5日に公開された「Windows 10アップグレードアシスタント」からすでに更新可能だ。まずは本稿を読んでいるインサイダーの方々に「フィードバックお疲れさま」と申し上げたい。

しかし、しばらくの間、Windows 10 Insider Previewも落ち着きを見せると思っていた筆者の予想は良い意味で裏切られた。4月7日に、開発コード名「Redstone 3」ことビルド16170が、ファーストリングを選択しているWindows Insider Program参加者に向けてリリースされたのだ。

ビルド16170のリリース状況を示す文字列は「rs_prerelease.170329-1524」だ。開発コード名を示す文字列は「rs」のみであり、Redstone 2を示す「rs2」、Threshold 2を示す「th2」といったこれまでの表現形式とは異なる。そのため、Redstone 3が正式な開発コード名とはならない可能性がある。

ビルド16170は既存のバグフィックスが中心で、大きな変化はないが、Windows Insider Program for Business(以下、WIP4Biz)の公式オープンは注目すべきポイントだ。その存在は2017年2月のMicrosoft Ignite Australiaで告知済みであり、WIP4Bizの目的はWindows 10 Insider Previewのシステムと機能をビジネス環境に当てはめることである。

わざわざプログラムを拡大せずとも、特定のデバイスだけWIPに参加させれば済むように見えるが、WIPへの申し込みは「個人向けのMicrosoftアカウント」が必要ながらも、企業内で使用するデバイスは「職場または学校アカウント」を用いることが多い。そのため、WIP4Bizでは企業が管理するMicrosoft Azure Active Directoryの資格情報を用いてデバイスを登録し、各リングのWindows 10 Insider Previewを導入する。

MicrosoftがWIPを企業に拡大することで、さらに多くのフィードバックを得られる可能性は確かに高いが、一つの疑問が浮かぶ。

WIPは決して安定することはなく、トラブルが発生した際は自身でログを確認しながら、関連するレジストリエントリーの調整や、周辺デバイスの切り離しなど試行錯誤を繰り返さなければならない。だが、ビジネスユーザーが限られた時間内でWindows 10 Insider Previewと格闘できるのだろうか。少なくとも筆者が企業人であれば、業務でもない限りWIP4Bizへ能動的に参加しようとは思えない。

だが、Windows 10に関して日本マイクロソフトを取材していると、利用者の感覚は日米で大きな差があることに気付かされる。米国のWindowsユーザーは安定性や業務遂行を優先する環境でもWindows 10 Insider Previewを使用し、あれこれと意見を述べるという。こうした温度差を踏まえないと、WIP4Bizの存在を評価するのは難しい。

MicrosoftはOfficeやXbox、Skypeといった多くの製品でインサイダープログラムを実施しており、ウォーターフォール型のソフトウェアやサービスは旧態依然の存在となりつつある。WIP4Bizが保守的な日本のビジネスユーザーに受け入れられるかは未知数だが、次期Windows 10大型アップグレードの完成度を高める施策としては興味深い存在と言えそうだ。

阿久津良和(Cactus)

(阿久津良和)