バングラデシュの首都ダッカを流れる汚染で黒ずんだブリリンガ川(2017年4月6日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】環境保護団体により世界で最も汚染された地区の一つとされたバングラデシュの歴史的な皮革産業の中心地が今月6日、閉鎖された。生活に不可欠な水路を保護するための裁判所の閉鎖決定を警察が執行した。

 閉鎖された首都ダッカ(Dhaka)のハザーリバーグ(Hazaribagh)地区は、ムガール帝国の時代から数世紀にわたって製革工場が集まる皮革産地として知られていたが、大量の有毒廃水が市内の重要河川ブリリンガ川(Buriganga River)に日々直接排出されていたことから、環境活動家らが数年間にわたって閉鎖を訴えていた。バングラデシュの最高裁は先月、この地域の製革工場に対し、今月6日までに工場を閉鎖するよう命じる判断を下した。

 ブリリンガ川はかつては市民生活の生命線とされ、現在も主要な輸送水路だが、大量の廃水により川の色は黒ずみ、強い悪臭を放つようになった。政府の発表によると、皮をなめすために使用された2万2000立方メートルの廃水が毎日川へ排出され、汚水には発がん性物質の六価クロムも含まれていたという。

 ハザーリバーグは町中に漂う強烈な悪臭により、米国の環境保護団体ブラックスミス研究所(Blacksmith Institute)が2013年に発表した「世界で最も汚染された地域」のトップ10中5位に選ばれている。また同研究所の調査によると、近隣で暮らしたり働いたりしていた人々は高い確率で皮膚や呼吸器系の疾患にかかっていた。

 一方で皮革産業は衣料・縫製産業に次ぐ同国第2の産業で、業界団体は皮革産業に対する「悪質な動き」は産業の衰退につながると警告している。ある労働組合員は「われわれの生活は製革の収入で成り立っている。工場のオーナーは一時の損失で済むが、労働者は1日の食事2回分が奪われる」と訴えた。
【翻訳編集】AFPBB News