ノミネーション作品にどう変化が?
 - Richard Harbaugh / (c) A.M.P.A.S.

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 アカデミー賞を主催する米映画芸術科学アカデミーが現地時間7日、長編アニメ部門の候補作を選考する際のルール変更を発表した。これまでは「短編映画&長編アニメ部門」に属するアカデミー会員を中心に5作の候補を選んだ上で、全アカデミー会員が投票して受賞作を決めていたが、新ルールではアカデミー会員なら誰でも、5作の候補作を決める段階から投票に参加できるようになった。

 これまで候補作を決める段階から全アカデミー会員が投票に参加できたのは、独自の部門を持たない「作品賞」と「外国語映画賞」のみだった。しかし、長編アニメーションは今や実写映画に引けを取らない存在感を発揮するようになり、「俳優部門」「監督部門」「脚本家部門」をはじめとした他部門に属する会員たちもアニメーション映画に関わることが増えたことから、今回のルール変更となったよう。アニメーターなどに限らず幅広い会員が投票できるようになったことから、インディペンデントの配給会社によるアメリカでは小規模公開の作品が不利になり、大手スタジオの作品が有利になるのではという見方もある。

 「短編映画&長編アニメーション部門」の会員がスタジオの大作を無視してきたわけではないが、アメリカの一般的な観客のほとんどは観たことがないような手描きやストップモーションアニメが高く評価されてきたのも事実(今年でいえば『レッドタートル ある島の物語』や『マイ・ライフ・アズ・ア・ズッキーニ(英題) / My Life as a Zucchini』がノミネート)。近年では第87回アカデミー賞で批評的にも興行的にも大成功したCGアニメ『LEGO(R)ムービー』(配給:ワーナー・ブラザース)が落選し、『かぐや姫の物語』や『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』がノミネートされたことが波紋を呼んだりもした。

 『かぐや姫の物語』や『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』を手掛けてきた配給会社GKIDSのCEOであるエリック・ベックマンは、今回の変更による劇的な変化はないと思うとしながらも「小規模な作品が注目されるのはより難しく、よりお金がかかるようになるかもしれない」と The Hollywood Reporter にコメント。「作品のクオリティーが優先されることを期待しています。アニメーションをジャンルとして見れば、聞いたことのないような小さな作品がノミネートされて驚くかもしれませんが、実写映画を見てみてください。『ジュラシック・ワールド』が作品賞にノミネートされず、『ムーンライト』や『マンチェスター・バイ・ザ・シー』がノミネートされても誰も驚きませんよね。そのような目で見てもらえれば、『レッドタートル』や『かぐや姫の物語』がノミネートされた理由がよくわかるはずです。いくつかの注目されるべき小さな作品が注目されなくなるのは、たぶん避けられないのでしょうが、新ルールの下でもこうしたことが続けばと願っています」と続けている。(編集部・市川遥)