経年劣化を考慮した買い換え推奨期限がある

走行会などに参加するため、四輪用のヘルメットを購入している人が増えてきているが、ヘルメットもじつは消耗品のひとつ。「大事に使えば、一生使える」と思っているかもしれないが、他の製品同様、使い出した瞬間から、劣化、消耗は始まっている……。

ヘルメットは、外側の帽体(FRPなど)、内装、そして衝撃吸収体(ライナー)が主な構造。このうち、ヘルメットの命ともいえる衝撃吸収体は、発泡スチロール製で、この衝撃吸収材から経年劣化が進んでいく。

そのため、アライやショウエイなどのメーカーでは、SGマーク(製品安全協会の被害者救済制度)の有効期限(ヘルメット着用開始から3年)を目安に、買い替えを奨励している。

とはいえ他の工業製品同様、使用期限にはかなり余裕を持たせているはずなので、大きな衝撃を与えたりしなければ、メーカー推奨期間の2倍、6年ぐらいは問題なく使えるはず(保証の限りではない)。

ただし、クラッシュなどでヘルメット(頭部)をどこかにぶつけてしまった場合や、有機溶剤や高温によって衝撃吸収材(発泡スチロール)がダメージを受けたり、内装や顎バンドがヘタリ気味で、ホールド性が悪化した場合は、3年未満でも寿命となる。

落としても大丈夫な場合もあるのでメーカーの点検などを利用する

一方、ヘルメットを誤って手から地面(アスファルト)に落したぐらいでは、通常、安全性能には影響がない。心配なら、一度メーカーに送って、点検してもらうといいだろう(アライヘルメットの場合、検査料は無料。送料のみユーザー負担)。

また、内装交換なども可能だが、費用もそれなりにかかるので、内装の痛みが気になるまで使用したら、思い切って新品に交換した方がいい。

そういう意味で、少しでも清潔でフレッシュな内装を維持するためにも、ヘルメット着用時には、フェイスマスクを被ることをおすすめする。当然、中古のヘルメットはどのような使用環境だったかわからないし、衛生的にも? なので、避けたいところ。

高価なものなので、キズなどがなければ交換には抵抗があるかもしれないが、頭部の安全を守る重要なツールなので、内装がヘタってきたり、サイズが合わなくなってきたら(大人でも、頭の大きさが変わることがある)、交換時期だと考えよう。古いヘルメットは、部屋にオブジェとして飾っておけばいいのでは……。