ホストに密着し、つかの間の擬似恋愛に浸る富裕層女性

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 かつて中国人女性の間では結婚するまで純潔を守るのは当然で、婚姻後も配偶者以外に恋愛感情を持つこと(婚外情・フンワイチン)は完全なタブーとされてきた。だが、それも近年では富裕層の登場とともに、過去のものになりつつあるという。その実態を探るべく、ジャーナリストの西谷格氏が富裕層女性たちの集う上海ホストクラブに潜入した。

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 富を得てカネと時間に余裕のできた女性たちは、新たな娯楽を求め続けている。その需要に応じて近年、都市部に本格的なホストクラブが出現した。私はその一つに、面接を経てホストとして雇われることになった。

 中国のホストクラブはいくつもの小部屋が並び、各部屋で接客するのが一般的。ふかふかのソファーにシャンデリアといった“ゴージャスなカラオケボックス”というイメージだ。

 上海には、こうしたホストクラブ然とした店は2〜3店舗ほど存在する。私が働いた店は一部屋あたり4000元(約6万円)前後の最低消費金額が決められており、少なくともこの金額以上の酒や料理を注文しなくてはいけないシステムだった。

 さらに指名したホストへ800元(約1万2000円)、ボーイに300元(約4500円)のチップを払う必要があり、どんなに安上がりにしても総額で1回10万円近くかかる。日本人の金銭感覚で言えば最低金額20万円といったところか。客は最初に、目の前にホストをズラリと並べ、中から気に入った男を指名してホスト遊びがスタートする。

 客はホストとの会話を楽しむほか、サイコロを使ったゲームで一気飲みをしたり、カラオケで騒いだりする。時には店内にDJをデリバリーしてもらい(1回2000元・約3万円)、小部屋内でダンスを楽しむこともある。興が乗ってくるとイケメンホストに肩を抱かれながら乾杯したり、身体を密着させてダンスを踊ったりしながら、疑似恋愛を楽しむ。

 私が雇われた店は上海でも「超」がつく高級店だったので、訪れる客も中年の“金持ちマダム”ばかりだろうと思っていた。しかし若い女性客も多く、20〜30代が4割、40〜50代が4割、残りは女性の連れの男性、といった感じだった。

※SAPIO2017年5月号