地中海の仏コルシカ島で、大統領選に向けた演説中に支持者らに手を振る極右政党「国民戦線(FN)」のマリーヌ・ルペン党首(2017年4月8日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】フランス大統領選に立候補している極右政党「国民戦線(FN)」のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)党首は9日、第2次世界大戦(World War II)中に仏警察がナチス・ドイツ(Nazi)に協力してユダヤ人1万3000人以上を一斉検挙し、首都パリ(Paris)の競輪場に監禁した事件について、フランスに責任はないとの見解を示した。検挙されたユダヤ人たちはその後ナチスの強制収容所に送られた。

 1942年に起きたこの事件は、ナチス当局者の命令を受けた仏警察がユダヤ人を一斉検挙し、パリにあるベル・ディブ(Vel d'Hiv)競輪場に監禁したもの。ジャック・シラク(Jacques Chirac)元大統領とフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領は、国家としてのフランスの責任を認め、謝罪している。

 しかし、ルペン党首は仏ニュース専門テレビLCIの9日の放送で「ベル・ディブの事件について、フランスに責任があるとは思わない」と主張。「もし責任があるとすれば、当時、権力を握っていた人々だ。フランスではない」と述べた。

 この発言について、23日に迫った大統領選の第1回投票でルペン党首の最大のライバルとみられている中道候補のエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)前経済相は「致命的な誤り」と批判。ルペン党首の父親でFN創設者のジャンマリ・ルペン(Jean-Marie Le Pen)氏が、反ユダヤ的・人種差別的な発言で幾度も有罪判決を受けていることを忘れてしまっている人たちがいるようだと指摘し、「今日のFNに対し無関心になったり、過小評価したりしてはならない」と警鐘を鳴らした。

 一方、ルペン党首は9日夜に自身の発言を擁護する声明を発表。「(ナチス)占領下のフランス共和国政府は、英ロンドン(London)を拠点としていたというのが私の認識だ」「(当時の)ビシー(Vichy)政権はフランスではない」などと釈明した。

 第2次世界大戦下のフランスでは、ナチスに協力的なビシー政権が成立した一方、抗戦派のシャルル・ドゴール(Charles de Gaulle)将軍はロンドンに亡命し「自由フランス(Free France)」を結成した。
【翻訳編集】AFPBB News