2016年度(4-3月)の「チャイナリスク」関連倒産は84件(前年度比30.5%減)、負債総額は574億6,600万円(同77.2%減)だった。上半期(4-9月)の45件(前年同期比19.6%減)に対し、下半期(10-3月)は39件(前年同期比40.0%減)で、後半にかけチャイナリスクによる日本企業の倒産は沈静化した。大型倒産が無く、負債は約8割減と大幅に減少した。
 3月は3件(前月比81.2%減)と大幅に減少した。前年3月は単月最多の16件を記録したが、一気に沈静化の様相をみせた。負債総額は10億3,000万円(同91.0%減)だった。倒産に集計されない事業停止や破産準備中などの「実質破綻」は、3月は1件発生(前年同月は4件)。


  • 「チャイナリスク」関連の集計基準
    「チャイナリスク」関連の経営破綻は、破綻の原因が次の8項目のどれかに該当するものを集計している。
    1. コスト高(人件費、製造コストの上昇、為替変動など)
    2. 品質問題(不良品、歩留まりが悪い、模倣品、中国生産に対する不信など)
    3. 労使問題(ストライキ、工場閉鎖、設備毀損・破棄など)
    4. 売掛金回収難(サイト延長含む)
    5. 中国景気減速(株価低迷、中国国内の消費鈍化、インバウンドの落ち込みなど)
    6. 反日問題(不買、取引の縮小、暴動など)
    7. 価格競争(中国の在庫調整に伴う相場下落、安価製品との競合など)
    8. その他

チャイナリスク関連倒産月次推移

 2016年度のチャイナリスク関連倒産は84件で前期より3割減少した。上半期(4-9月)の45件から、下半期(10-3月)は39件にとどまった。特に、12月以降は10件を越えた月が無く、チャイナリスクの日本企業への影響は落ち着きを取り戻したようだ。ただし、業種別では「繊維・衣服等卸売業」や「繊維工業」、「織物・衣服・身の回り品小売業」などアパレル関連が38件(構成比45.2%)と半数近くを占めた。アパレル関連企業は、安価な労働力や仕入価格の抑制を求めて生産拠点や仕入先を中国に移転してきたが、近年の中国国内の人件費高騰など「コスト高」が収益を圧迫し、行き詰まるケースが増えている。
 中国政府は「小康社会」の実現に向け2020年までに個人所得を2010年比で倍増させる計画を打ち出している。こうした動きを背景に、人件費高騰が一服する可能性は低く、今後もアパレル関連企業を中心に一定数の倒産は避けられないとみられる。