東日本大震災関連倒産 震災後月次推移

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 2017年3月の「東日本大震災」関連倒産は10件で、5カ月ぶりに前年同月を上回った。累計件数は震災から6年を経過して1,795件に達した。なお、3月の負債総額は18億9,600万円で5カ月連続で前年同月を下回った。この結果、2016年度(2016年4月〜2017年3月)の倒産件数は83件(前年度比27.1%減、前年度114件)で前年度より約3割減になった。


2017年3月の倒産事例

 鮫ヒレの一次加工販売の(有)三陸鮫類(TSR企業コード:141063904、宮城県)は、鮫の漁獲量減少などに影響を受けて減収基調を辿っていたところに、東日本大震災の津波で工場が流出するなど大きな被害を受けた。その後、営業再開を果たしたものの、休業中に顧客が減少したことなどから売上高は震災前を下回る状況にあった。その後も業績は回復せず破産を申請した。
 温泉旅館経営の(資)ホテル玉屋(TSR企業コード:152052003、福島県)は、震災による福島第一原発事故から、風評被害の影響により業績が低迷した。一時は東京電力からの賠償金により赤字も補填されていたが、賠償金の打ち切りや売上高不振などで先行きの見通しが立たなくなり事業継続を断念して破産を申請した。

 2017年3月の地区別は、東北5件、関東が4件、中部1件だった。
 「震災関連」倒産の累計1,795件を都道府県別でみると、最多は東京の549件。次いで、宮城153件、北海道84件、千葉と神奈川が各71件、福岡が70件、岩手68件、茨城66件、群馬59件、栃木54件、福島52件、静岡49件、山形47件、埼玉45件、大阪44件と続く。直接被災地の東北6県の倒産件数は374件(構成比20.8%)だった。
 「震災関連」倒産の累計1,795件を産業別でみると、最多は宿泊業・飲食店などを含むサービス業他の478件。次いで、製造業が404件、卸売業が334件、建設業が217件、小売業が166件と続く。
 被害型で分類すると、「間接型」1,633件(構成比90.9%)に対し、「直接型」は162件(同9.0%)だった。

震災関連の集計基準

「震災関連」の経営破綻は、原則として次の3つのどれかに該当するものを集計している。

  1. 震災により施設・設備・機械等に被害を受けて経営破綻した(直接型)
  2. 以前から経営不振だったが、震災による間接影響を契機に経営破綻した(間接型)
  3. 震災の影響による経営破綻が、取引先や弁護士等への取材で確認できた(直接・間接型)
  • 集計では、すでに震災前に再建型の法的手続を申請しながら、震災による影響で再建を断念し破産手続に移行したケースなどは、倒産件数のダブルカウントになるため集計から除外している。
  • 「震災関連」の経営破綻は下記の「倒産の定義」のいずれかに該当するケースを「倒産」として集計。「事業停止」や「弁護士一任」、「破産手続き中」などの企業は、今後の展開次第で事業再開の可能性もあるため、「実質破綻」として区別した。

倒産の定義(対象:負債額1,000万円以上の法人および個人企業)

  • 会社更生法、民事再生法、破産、特別清算を裁判所に申請した企業(法的倒産)
  • 手形決済などで6カ月間に2回の不渡りを出し、銀行取引停止処分を受けた企業(私的倒産)
  • 企業が経営破綻により事業継続を断念したが、法的手続きを採らず弁護士などに事後を一任して私的整理(内整理)を明らかにした企業(私的倒産)