二度寝……この甘美なひととき……ならいいのですが、実際には、とんでもない遅刻をしでかしてしまったり、起きたあと、とてもだるかったり。二度寝はやっぱりいけないのでしょうか?

二度寝体質から抜け出すだめに、毎日昼寝を予定に入れる!

二度寝については、絶対にいけないというものではありません。ただ、ダラダラと二度寝をしてしまうと、たっぷり寝たはずなのにぜんぜんスッキリしない、かえってだるい、という症状になりがちです。寝過ぎてしまった、という罪悪感から気分もよくありません。

そもそも二度寝をしてしまう背景には普段の睡眠量が足りていないことや、睡眠の質が低下していることが考えられます。毎日の寝不足の解消法は「寝だめ」ではなく「昼寝」が最もおすすめです。

ただし、昼寝のとり方にはポイントがあります。まず、15時までという時間。15時を過ぎてしまうと、その日の夜の睡眠に悪影響が及ぶので、逆効果になってしまいます。そして、15〜20分程度という時間も大切です。これ以上長く眠ってしまうと、心身への健康効果が得られず、さらに頭がぼーっとして午後の生産性が下がってしまいます。また、眠りが深くなって起きにくくなってしまうので要注意です。15〜20分ぐらいであれば、スキッ!と起きられます。

日本ではお昼寝の習慣は根付いていませんが、脳と身体、心にとって有益な習慣です。日頃の“寝不足感”が解消されて、リフレッシュでき、午後のパフォーマンスも上がります。ちなみに、お昼寝前にコーヒーやお茶などでカフェインを摂取しておくとより目覚めがスッキリしますよ。

お休みの日、プラス2時間までなら許される至福の時間

体のメカニズムや、体温やホルモン分泌のリズム、日の出で日の入り時間などなどの関係から、起床にもっとも適したゴールデンタイムは、朝5時半〜8時半とされています。

でもお休みの日はもうちょっと寝坊したいですね。ふだんの起床時間からプラス2時間ぐらいであれば、体内時計を大幅に乱さないのでOKです。注意していただきたいのは、2時間以上になると、せっかく二度寝したのにかえってだるい、気分もよくない……という逆効果になってしまうことです。

お休みの日は昼まで寝ているとか、1日ベッドの中でグズグズしている……という方もいますが、これも避けたいパターン。かえって疲れが抜けません。特に、起きたらもう夕方だった、なんていう寝方をすると、その後持ち直すのがたいへんです。眠りのサイクルが崩れて、その日はよく眠れないでしょうし、そうすると翌日にも響いてしまいますからね。

こんなワンコを見習って、眠いときは素直にお昼寝。



■賢人のまとめ
お休みの日はふだんの起床時間からプラス2時間ぐらいなら二度寝もOK。それ以上の二度寝は、かえって体がだるくなるのでやめましょう。普段の寝不足は毎日のお昼寝で解消しましょう。ランチのあと15〜20分がベストです。

■プロフィール

睡眠の賢人 友野なお

睡眠を改善したことにより体質改善に成功した経験から、睡眠を専門的に研究。
科学でわかるねむりの環境・空間ラボ主宰。著書に『やすみかたの教科書』(主婦の友社)など。