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●『CRISIS』に関わる人が世界で活躍するきっかけに
あす11日にスタートする関西テレビ・フジテレビ系ドラマ『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(毎週火曜21:00〜)が、フランス・カンヌで開催された世界最大級のテレビ番組見本市「MIPTV」4日昼(現地時間)、公式プレミア上映され、出演する西島秀俊がレッドカーペットを歩いた。そんな西島をカンヌ現地で直撃し、今作や日本のドラマへの思いを聞いた――。

南仏屈指のリゾート地であり、映画祭でよく知られるカンヌで、50年以上にわたり開催されている歴史あるテレビ番組見本市「MIPTV」が初企画した「アジアワールドプレミア」の第1作目に『CRISIS』が選ばれた。西島は、この上映会とMIPTVオープニングセレモニーのレッドカーペットを歩くためにカンヌ入りしたところで、印象をこう言葉にした。

「会場の周りのコート・ダ・ジュールの海岸沿いを散歩していても気持ちがよくて、リラックスしています。カンヌで初めてのレッドカーペットになりますが、場の雰囲気に助けられ、正直なところ緊張していません」

来場するにあたり、共演者やスタッフから多くの応援の言葉がかけられたという。「(主演の)小栗旬さんは舞台があるために来ることができませんでしたが、あたたかく『がんばってきてください』と声をかけてくれ、飛行機に乗る時からカンヌにいる今も実は連絡を取り合っています。小栗さんの思いを感じます。だから、小栗さんの分まで宣伝をがんばりたいです」

世界100カ国から番組バイヤーやセラー、制作プロデューサー、専門ジャーナリストなど1万人のテレビ業界関係者が集まる会場でPRする効果は高い。その使命感を強く感じながら「『CRISIS』が1つでも多くの国で見てもらえるようにPRしたいです。小栗さん、原案・脚本の金城一紀さんをはじめ、このドラマに関わる方々が世界に活躍するきっかけになるお手伝いをしたいです」とも話し、控えめに「僕(自身のPR)は二の次でいいのです」と言葉を添えた。

さまざまな作品がカンヌから世界デビューし、テレビ見本市にはこれまで日本でも人気のジャン・レノやキーファー・サザーランド、サラ・ジェシカパーカーなど、世界で活躍する俳優陣が足を運んでいる。西島は同じ場所にいることそのものが「幸せなこと」と話し、「たくさんのすばらしい俳優、女優の方々がいらっしゃっている場所に自分も来ることができたことは本当にうれしい。連れてきていただいたカンテレのみなさんにも感謝の言葉を伝えたい思いでいっぱいです」と続けた。

3日に行われたMIPTV公式オープニングパーティーでは、ジェレミー・レナー(映画『アベンジャーズ』ホークアイ役)など、海外の人気セレブが登場するレッドカーペットを西島も歩き、「あたたかく迎え入れていただき、驚いています。何よりすごくうれしいです。『CRISIS』のスクリーニング(上映)も反響があることを期待したいです」と感想を述べた。

その言葉通り、翌日4日昼に行われたスクリーニング会場は、開始前から列が作られ、上映が始まると280席がほぼ満席になった。MIPTVでは、世界各国のドラマのスクリーニングが行われているが、いつでも満席になるわけではない。アジア初の公式ドラマスクリーニングということもあり、注目度が高かったようだ。

上映後に行われた舞台あいさつで冒頭、西島は「ボンジュール!」と茶目っ気たっぷりに来場者に語りかけ、「この上映をきっかけに『CRISIS』が世界の皆さまに見ていただけることを、そして『CRISIS』だけでなく日本のドラマがもっともっと見ていただけることを願っています」と締めた。

●撮り切れるのかハラハラしていた
視聴したスペインの番組バイヤーに話を聞くと、「脚本がとってもいいね。日本のドラマを初めて見たけど、感情移入しやすく、分かりやすい展開が気に入った」と言い、フランスの制作プロデューサーからは「舞台あいさつした俳優(西島)の魅力を感じた。彼のセクシーさが伝わったよ」という意見も聞かれた。

西島にドラマの魅力をあらためて聞くと、「小栗さんも同じことを話していましたが、映像化しにくい企画だと思います。東京でアクションものを撮影するのは本当に大変だからです。だから、『やりましょう』と手を挙げたカンテレさんの情熱と魅力ある作品を作っていこうという野心に拍手を送りたいです」と話す。

見どころのひとつであるアクションシーンのために、小栗と西島は1年前から準備を進めてきた。金城氏の監修により「カリ・シラット」と言われる武術を訓練し、アクションシーンではワンカットも早回しがないという。西島は「カリ・シラットはハリウッドでも取り入れられています。日本では金城さんが脚本を書かれている作品『SP』でも、岡田准一さんが使われていますね。海外の方に日本にもこんな面白いアクションエンタテイメント作品があるということを知ってもらい、アクションシーンを楽しんで見ていただけるとうれしいです」と、説明してくれた。

また評価を受けていたストーリーについても詳細を語ってくれた。「規格外の作品だと思います。撮り切ることができるのか、内心ハラハラしていたほどです。ロケ先にとしまえん(東京・練馬区)が使われることもありました。さらに驚かされたのは、金城さんの脚本の緻密さです。としまえんで男の子がトイレに行った後、座るベンチへの歩数まで計算して書かれているのです。それをできるだけ具現化できるように撮影されているので、リアリティがあるのだと思います。その辺りも世界でも共感できる点になっていると思います。日本ならではの風景や、特に現代の日本の空気感も濃厚に映し出されているので、誇りを持って世界の方々にも見ていただきたい作品です」

最後に西島は日本のドラマに対する思いも寄せた。「カンテレさんをはじめ、日本全体でこうした良作を作り続けていっていただけたら、出演する立場としてもとてもありがたいことです。今回のように、世界にもアピールすることができれば、日本のドラマ全体に対する評価が変わるかもしれません。世界各国から興味を持たれる度合いが高まっていくのではないかと信じています」

スクリーニング以降、アジアのみならずヨーロッパ、北米の地域から幅広く問い合わせがあり、カンヌの会場で商談が続いたという。成立するかどうかは、これまでのケースをみると、国内での評判も大きい。日本での放送はあす11日から始まるが、カンヌで一足先に勢いに乗ったドラマ『CRISIS』の今後の動向に注目だ。

(長谷川朋子)