ドライバーの操作に対するクルマの反応スピード

レスポンスというのは「反応」という意味。ドライバーの操作に対して、すぐに反応してくれるクルマは「レスポンスのいいクルマ」ということになる。

たとえばエンジン。アクセルを踏んだときに、すぐにトルクが立ち上がるピックアップのいいエンジンは、レスポンスのいいエンジン。これがアクセルを踏み込んでも、「モァー」として加速の鈍いエンジンはレスポンスの悪いエンジンとなる。軽量フライホイール、4連スロットル、6連スロットルなどは、レスポンス向上のためのパーツと言える。

逆に電子制御スロットルのなかには、アクセルワークに比例して、スロットルが開かなかったり、アクセルを全閉にしても、スロットルの戻りが鈍いプログラムになっているものもあり、レスポンスという点ではイマイチなものも……。

ATでも、レスポンスのいいものは、アクセルを踏み込んだときに、素早くシフトダウンして加速力を高めたり、パドルシフトの操作に対し、タイムラグなく反応するのは、レスポンスのいいATということになる。キックダウンが遅かったり、パドルやシフトレバーを動かしても、反応が鈍いのはレスポンスが鈍いAT。

ハンドリングでも同じこと。ステアリングを切っても、タイヤがよれて、ブッシュがよれて、サスアームがよれて、ボディがよれて、それからようやくワンテンポ遅れて曲がり始めるようなクルマは、ステアリングレスポンスの鈍いクルマ。

操作に対してあまり過敏に反応するクルマも運転しづらい

CP(コーナリングパワー)の高いタイヤを履いて、サスペンションの取り付け剛性、ボディ剛性などを高めれば、ステアリングに対するレスポンスはいいものになる。レーシングカー、とくにフォーミュラカーなどは、エンジンもシャーシもレスポンスを突き詰めた設計になっているが、市販車でレスポンスがよすぎるのも考えもの。

レスポンスが鈍いのも困るが、過敏気味なのもピーキーで乗りづらいクルマになる。スポーツカーでも、ラグではなく、適度に「タメ」があったほうが、コントロールの楽しさがあって、走りの質感がいいクルマになる。

最近では、メーカーもジャーナリストも、ステアリングに対する(フロントタイヤの)レスポンスが敏感なほうを高く評価する傾向が見られるが、敏感だがコントロールの幅が狭いクルマより、コーナーの途中でもまだステアリングを切り足せる余地のあるような、「タメ」のあるクルマの方が、ドライビングプレジャーが高いと思うのだがどうだろう。

というわけで、クルマのレスポンスは、エンジンでもステアリングでもサスペンションでもパワートレインでも鈍いのは論外。基本的にレスポンスはいいに越したことはないが、鋭すぎてピーキーなのも厄介で、そのチューニング加減にセンスが問われる要素といえる。