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東京商工リサーチは4月7日、2016年度(2016年4月-2017年3月)に業法・法令違反や脱税、粉飾決算、偽装など「コンプライアンス違反」が一因になった倒産の動向について発表した。

これによると、2016年度にコンプライアンス違反によって発生した倒産は178件(前年度191件)で、2年連続で前年度を下回ったという。

その背景について、同社はコンプライアンス意識の浸透と同時に、緩やかな景気回復と金融機関が中小企業のリスケ要請に柔軟に応じるなどの政策効果もあって企業倒産を抑制しており、「コンプライアンス違反」企業の経営破綻が表面化するケースが少なくなっていると見ている。

コンプライアンス違反で倒産した178件を違反内容別で見ると、建設業法や医師法などの業法違反、金融商品取引法や特定商取引法などの法令違反、行政処分、代表者の逮捕などを含む「その他」が79件(前年度比12.8%増、前年度70件)で最多だったという。

これに、脱税や滞納などの「税金関連」が64件(同25.4%増、同51件)で、この2要因だけが増加し全体の8割(構成比80.3%)を占めた。

一方、補助金や介護・診療報酬などの「不正受給」が11件(前年度比21.4%減、前年度14件)、不正な会計処理や虚偽の決算書作成などの「粉飾」が10件(同64.2%減、同28件)、賃金未払いや最低賃金法などの「雇用関連」が前年度同数の9件だった。雇用調整助成金の不正受給の動向が注目されていたが、「不正受給」は11件で21.4%減少した。

産業別では、サービス業他が63件(構成比35.3%)で最も多かった。次いで、建設業26件、製造業25件、卸売業20件、小売業18件、運輸業12件、情報通信業7件、不動産業6件、金融・保険業1件だった。

最も多かったサービス業他では、医療、老人福祉関連が12件、飲食業関連が10件、労働者派遣業が6件、ホテル・旅館が4件など。これらの中には、経営不振から介護報酬や診療の不正請求などに手を染めたケースや飲食業での食中毒事故などが見られたという。