「いい奥さん」を目指すと、お金が貯まらない意外な理由

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 共働き夫婦が当たり前になってきた昨今、「ダブルインカムならば、収入が2倍になるので、単純にお金も貯まりやすくなるのでは?」と思ってしまうところです。

 しかし、そういった思い込みに対して、「共働き夫婦だからこそ、お金が貯まりにくい側面がある」と指摘するのは、『<貯蓄のプロ>と<ディグラム診断のプロ>が教える「夫婦のお金」の増やし方』を出版した家計再生コンサルタントの横山光昭さん。「お金が貯まらない共働き夫婦の特徴」を教えてもらいました。

◆お互いの貯金額と収入を知らない夫婦はお金が貯まらない

 まず、お金の貯まらない共働き夫婦の特徴について、横山さんが挙げるのが「お互いの収支を知らない」パターンです。

「結婚して長いこと経っているご夫婦でも、意外と『お互いの年収を知らない』『貯金額を知らない』というケースは多いです。たしかに家計がうまく回っているのであれば、別にお互いの収支を知らなくてもいいじゃないか……という気持ちになりがちですが、実はそこが落とし穴です。

 収支を知らないと、明確な夫婦合算での貯金額や世帯収入がわからない分、危機感も生まれにくくなり、『きっとパートナーが貯めているだろう』『相手も稼いでいるから大丈夫だよね』と安心してしまうというデメリットがあります。だから、できるだけパートナーとは、お互いの収支や貯金額はクリアにしておきましょう」

「独身時代の感覚で自由にお金を使いたい」「自分でお金をコントロールしたい」という気持ちはわかりますが、貯蓄を上手に貯めたいと思うのであれば、そのままでは、いつまでたってもお金は貯まらない……と横山さんは指摘します。

「貯蓄は一人でやるよりも、夫婦一緒にやったほうが確実に貯まりやすくなります。また、片方は節約意識をもってお金を貯めようとしていても、もう片方に危機感がなくて散財してしまっているようでは、意味がありません。ポイントは、できるだけ『お金の流れを見える化する』ということ。収支を把握するだけでなく、できることなら、お小遣い制を導入して、毎月の支出額をきちんと設定しておくのがベストですね」

 とはいえ、いきなりお小遣い制といわれると、どうしても抵抗感を持つ旦那さんは多いかもしれません。その場合は、「お小遣いの範囲内であれば、何に使ったとしても互いに不問にする」「お小遣いは少し多めに設定する」などのテクニックを使うと、あまりお互いに窮屈に感じず、スムーズにお小遣い制を続けられるそうです。

◆いい奥さんであろうとするとお金はどんどん飛んでいく

 突然、子どもに「欲しいものがある」とねだられたときや、夫に「どうしても今日は外食がしたい」と言われたとき。そんなときは、「大切な家族に言われたのだから仕方がない」と言って、自分のための出費を後回しにして、夫や子どもの希望を叶えてあげたくなるのものです。

 まさに「優しいお母さん」「いい奥さん」の象徴とも言えるようなこの行動ですが、実はこれも「お金が貯まらない危険行動」であると横山さんは指摘します。

「いい奥さんであればあるほど、実はお金は貯まらないです。たしかに自分を犠牲にして、夫や子どものためにお金を節約して、自分に使うお金を後回しにするのは母親や妻としては非常に愛情深い行動ではあります。でも、家族の希望を聞きすぎてしまう一番の問題点は、計画的にお金を使うことができなくなり、無駄が増え、家計がコントロールできなくなってしまうことです」

 たとえば、「夫が外食したい希望を聞き入れた結果、その日の食事として用意していた食材を余らせてしまい、無駄にする」。また、「子どもに欲しいものがあるとねだられると、自分が本来予定していた買い物を来月に回してしまい、翌月の収支が苦しくなる」など、臨時出費や無駄な出費が増えることで、計画的にお金を貯められなくなってしまうのです。

「仮に家族から何か頼まれごとやおねだりをされたとしても、そこはぐっと心を鬼にして、『今月はもう使うべきお金の金額は決まっているから』と、上手に家計をコントロールしていきましょう。

 また、自分だけで家計を切り盛りしようと抱え込まず、家族に対して家計の状況をきっちりと共有しておく機会を日ごろから設定しておくのも手です。家計の状況がわかれば、『あぁ、お母さんはただやみくもにダメと言っているわけではないんだな』『いろいろ考えてくれているんだな』という意識を家族が持ってくれるようになるので、無茶なおねだりが減るはず。私自身も、定期的に家族会議を開いては、妻や子どもと一緒に家計について考える時間を設けていますよ」

 大事なお金の共有で家族との絆も深まるかもしれませんね! 

<TEXT/藤村はるな PHOTO/難波雄史>