様々なリスクを覚悟した上で、子熊の命を救った男性に称賛の声が寄せられている。

写真家コーレイ・ハンコックさんが先月末、米オレゴン州でサンティアム川周辺をハイキングしていた時のこと。

瀕死の状態の子熊を発見

1匹の子熊が仰向けに倒れているのを見つけた。

Corey Hancock/Facebook

くちびるは青く、目は半開き、ピクリとも動かず、子熊は死んでいるように見えたという。また、雨で全身がびしょ濡れだったとも。

近くに母熊がいることを警戒したコーレイさんは、写真だけ撮ってこの時はその場を離れた。

放っておけば死んでしまう…

しばらく遠くから子熊の様子を見ていると、強まる雨に、何度か前足を動かす仕草を見せたという。

この時初めて子熊が生きていることを確認したが、放っておけばいずれ死んでしまうのは自明の理。

様々なリスクが頭に浮かんだが、このまま放置できないと思ったコーレイさんは、上着で子熊をくるみ、自身の車までかなりの距離を走った。

遠くからでも人間の匂いを嗅ぎつけられる母熊に、今にも襲われるのではないかという恐怖が頭から離れなかったという。

Facebookで助け求める

コーレイさんは、無事車までたどり着き、自宅のある街まで運転する合間に、熊の写真を撮り、Facebookで助けを求めた。

助けて!瀕死の状態の子熊を保護。呼吸は浅く、反応もほどんどありません。どうしたいいでしょうか?

この投稿が後に物議をかもすことになるのだが、それはまた先の話。

この時、子熊はまさに命の瀬戸際にあり、呼吸が止まる度に人工呼吸を試みる、そんなことを繰り返したと、コーレイさんは後に明かしている。

彼のFacebookの投稿に対する反応は早く、有益なコメントが寄せられ始めた。但し、紹介された獣医には「野生動物を診ることはできない」と断られ、結局コーレイさんは、ある動物保護施設を訪ねることに。

保護施設で一命とりとめる

同施設で極度の脱水と飢餓状態にあると診断された子熊は、適切な処置を施されたため何とか呼吸も落ち着き、一命をとりとめた。

Corey Hancock/Facebook

Corey Hancock/Facebook

Corey Hancock/Facebook

保護された場所にちなみ、「エルクホーン」と名付けられた子熊だったが、一方で、先にご紹介したコーレイさんの投稿によって騒動が巻き起こっていた。

違法行為と咎められる

投稿にはコーレイさんを褒めたたえるコメントと共に、その行動を非難する声も多く寄せられたのだ。

「野生動物の子どもを勝手に連れてくることは違法」といった意見である。「母熊がエサを探しに行っていただけかもしれない」というのである。

しかし、エルクホーンに母熊はおらず、もう何日も放置された状態であったこと、自分が保護しなければ早晩死んでいたはず、というのがコーレイさんの主張である。

Facebookで詳細語る

彼はエルクホーンを保護するに至った状況について、自身のFacebookに投稿。同投稿には1万5000人が「いいね!」などし、シェア数も9000件に迫っている。

エルクホーンは現在、野生動物を取り締まる専門機関であるODFWの監視下にあり、再び野生にかえすことも視野に、人間に見守られながら、順調に回復に向かっているという。

今回の騒動を踏まえ、野生動物との付き合い方には様々なリスクが伴うと痛感したというコーレイさん。

しかし、また同様の事態に遭遇したら、「僕は今回と同じように行動するだろう」と述べている。