くまもと復興映画祭 Powered by 菊池映画祭」内でトークショーを行なった永山絢斗(左)、高良健吾

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 俳優の永山絢斗が9日、熊本県で開催された「くまもと復興映画祭 Powered by 菊池映画祭」内の『東京物語』上映会に来場、今月1日に最終回を迎えたNHKの連続テレビ小説「べっぴんさん」で共演した高良健吾と共に、リラックスムードなトークを行った。

 4月7日から3日間にわたって熊本県内各所で開催された「くまもと復興映画祭」もいよいよ最終日。今年は熊本県出身の俳優・高良健吾による「特別企画」を実施。小津安二郎監督の名作『東京物語』(1953年)を上映後、永山と高良によるトークショーを行うこととなった。「父が鹿児島県の出身なんですが、熊本には高良くんと一緒に行こうと思っていたので、今回それが叶いました」と笑顔を見せた永山は、「映画祭は本当に楽しいです。お祭りだよね」としみじみ。その言葉に高良も「絢斗くんにどう楽しんでもらうかと考えてきたので、うれしいですね」と笑顔をみせた。

 熊本出身である俳優の故・笠智衆さんがこの『東京物語』で70歳の父親を演じた時、笠さんの実年齢は49歳だった。一方の高良と永山も「べっぴんさん」で老け役を演じたことがあり、「クランクインの前に、絢斗くんが『笠智衆さんみたいな芝居をしたい』と言っていたことが『東京物語』を上映しようと思った理由のひとつ」と高良は明かす。そんな流れから「老け役はしんどいんですよ」と続けた高良は、「自分としては老け芝居をやるときはいつも(自分の芝居に)反省ばかりしています」と付け加えた。

 さらに「恥ずかしながら、『べっぴんさん』に入ると決まってから初めて『東京物語』を観たんです」と続けた永山は、「観てみて、こんな名作をなんで今まで観ていなかったのかと思いました。笠さんの芝居には説得力があるし、やさしい気持ちになれる。こんな役者さんは初めてだと思いました」と述懐。さらに「『東京物語』のブルーレイには台本がついてくるんですけど、自分が好きなシーンに合わせてセリフを言ったりしてみても、あのタイミングではなかなか言えないんですよね」としみじみ。一方の高良も「俺も(映画を観ていると)できるかもしれないと思うんだけど、やってみると全然できないんだよね」としみじみ付け加えた。

 普段、口数があまり多い方ではない永山だが、この日は高良のリードもあってか、「笠さんの作品では『ながらえば』というドラマが好き」「杉村春子さんもすごいよね」等々、終始、口もなめらか。高良が「絢斗くんがこんなにしゃべるのははじめて観た」と驚くほどだった。

 そしてその後は、足立紳監督の『14の夜』、そして本映画祭ディレクターを務める行定勲監督がメガホンをとった『うつくしいひと サバ?』の上映が行われ、すべてのプログラムが終了。「来年もやります!」という宣言も飛び出すなど、大盛況のうちに「くまもと復興映画祭 Powered by 菊池映画祭」の幕を降ろした。(取材・文:壬生智裕)