映画『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』より
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 インドで5歳のときに迷子になって孤児としてオーストラリア人夫婦のもとに引き取られたサルー・ブライアリーさんが、25年後、Google Earth の衛星写真で実の家族を捜し出したという驚愕の実話を基にした感動作『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』。本作でサルーを養子にした“オーストラリアの母”スーを演じ、第89回アカデミー賞助演女優賞にもノミネートされたニコール・キッドマンが、母親であることへの思いを語った。

 自身も4人の子供の母親で、うち2人は養子であるニコールは、モデルとなったスーさんと会うやすぐ意気投合したと振り返る。「スーはシドニーまで来てくれて、1日一緒に話して過ごした。わたしはスーを質問攻めにしちゃったけど、彼女はその全てに正直に、そして自信を持って答えてくれた。わたし自身の話もして、わたしに演じてほしいと言ってくれたの」。本人にそう言われて責任を感じたというニコールだが、初めてサルーと対面するときに見せた“新しい家族を気に入ってもらえるだろうか”と不安げな儚い表情から、強い信念も持ち、子供たちにたゆまぬ愛情を注ぐ強い姿まで見事に演じ切っている。

 「わたしたち(スーと自分自身)は、よき母親になりたい、心が温かくて思いやりがあって、無条件に愛をささげたいという強い願望を抱えているの」と二人の共通点を明かしたニコール。「わたしは母で、妻で、姉で、娘でもあるけど、その中でも今は一番、母であることを楽しんでいるわ。昔より経験があって、我慢強くなっているから。わたしの中で一番強いものは、母性よ。夫は『君はすごく母親らしい』って言うんだけど(笑)、それが気に入っている。わたしの人生において強いパワーを持つものは母性の力で、わたしはそれが大好きなの」と母であることへの強い思いを明かした。

 それだけにニコールは「わたしにとってこの映画は、子供が養子であれ実子であれ、母親が持つパワー、そして母親という存在の必要性の話だと思うわ」と力を込める。「『二人も母親がいるなんて! あなたはラッキーね!』と本物のサルーにも話したようにね。それに、彼のように良質な愛情を受けて育つと豊かな人生を歩める。この映画はわたしの感情にとても訴えてくる作品だったの」。メガホンを取ったガース・デイヴィス監督は、脚本を読んだニコールとの初めての面談で彼女が自分に負けないくらいスーさんについて知っていて驚いたと明かしていたが、ニコールの中の強い母性がここまで彼女を動かしたようだ。(編集部・市川遥)

映画『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』は公開中