潜水士を率いて引き揚げ作業に当たった金峰氏(上海サルベージ提供)=(聯合ニュース)

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【ソウル、木浦聯合ニュース】2014年4月に韓国南西部の珍島沖で沈没し、先月海底から引き揚げられた旅客船セウォル号が9日、木浦新港の埠頭(ふとう)へ陸揚げされた。引き揚げを担った中国企業、上海サルベージの潜水総監督を務めた金峰氏(51)がこの日、聯合ニュースのインタビューに応じ、約400日に及んだ難事業を振り返った。

 金氏は経歴32年のベテラン潜水士。韓国政府がセウォル号の引き揚げを決定し、上海サルベージと契約を締結した2015年8月から、これまでに100人近くの潜水士を率いて水中作業に当たった。
 金氏は初めて水中に潜った際、「海水がとても冷たく、水質が濁り、視野の確保が難しかった」と振り返る。「船体が90度左に傾いた状態だった。海中に長期間漬かっていたため腐食が多く、海の生物もいっぱいたっだ」と説明した。
 30年以上の経験を持つ金氏にとってもセウォル号の引き揚げは初めてのことばかりだった。「船体を傾いた状態のまま引き揚げることや、窓やドアに流出防止の網を設置すること、引き揚げた船体を半潜水式の運搬船に積載することも初めてだった」と作業の難しさを語った。また、事故海域付近は海流が速いことで知られ、水深により潮流の方向や速度も大きく異なるなど、ベテラン潜水士でも二の足を踏むほどだったという。
 特に難しかった作業については、中央部のフィンスタビライザーの切断を上げた。15年10月には中国人潜水士が船尾のプロペラを切断する作業中に爆発に巻き込まれた事故もあった。
 上海サルベージはセウォル号の引き揚げ事業で多額の赤字を負ったとされる。しかし、同社副社長は「無条件でこのプロジェクトを完遂する。すべての努力を傾け韓国人のために貢献する」と明言していた。
 金氏に再び15年に戻ったら同じ作業に参加するかと尋ねると、「セウォル号の引き揚げは初めて試みる作業が多かったが、もし提案がくれば必ず成功させられると信じている。われわれは必ずやり遂げられる」と力強く語った。
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