■ターンパイク上りでは、”やはり”パワーが頭打ちに

街中と高速走行に続いて、いよいよ箱根のマツダ・ターンパイクです。まずはハイブリッドの性能を試すため、走行モードは「ノーマル」のままで乗り入れました。

料金所からアクセルを踏み込むと、新型C-HRハイブリッドは「エンジン+モーター」出力を発揮。また新世代プラットフォーム「TNGA」に、高剛性ボディとしっかり動くサスペンションと太くて大きいタイヤを組合わせているため、コーナーをしなやかに駆け抜けていくことができました。

しかしながらシステム最大出力は122psですから、車体を強引に押し上げる上げるパワーはありません。また急勾配では、「エンジン+モーター」でもパワーは頭打ちになります。更に7割程度上ったところで、今度は駆動バッテリー不足のためにモーターが休眠してパワーダウンしてしまい、2度目の頭打ちに見舞われてしまいました。

新型C-HRはいかにも走りそうな派手なスタイルをしてますが、ハイブリッドユニットはプリウスと同じですから、パワー的には「やはり」不足ぎみ。では走りが楽しくないかといえば、そうでもないのが不思議なところ。そうこうするうちに、ターンパイクの頂上が見えてきました。

■優れたボディ&シャッシーによる爽快な下りのドライブに、”なるほど”

上りで感じた不思議を抱えながら、今度はノーマルモードのままで下りに突入しました。正直なところ重心の高いSUVなので、ターンパイクの下りは苦手だろうと思っていたのですが、良い意味で予想を裏切られました。

先を行く国産SUVが大きく左右にロールするのを尻目に、新型C-HRは急な下りコーナーを、抜群の操縦性と安定感を発揮して駆け下りていきます。それはSUVらしからぬ爽快なドライビングで、ドイツのニュルで鍛えたというボディ&シャッシーがもたらす性能に「なるほど」と納得した次第。

ドイツ車が逞しくて強靭な「太マッチョ」だとすれば、新型C-HRはバランスの良い筋力と運動神経に優れた「細マッチョ」という印象を受けました。

ちなみに下りでは、駆動バッテリーの電力回生も気になるところ。ノーマルモードでは回生ブレーキは弱めで、コーナーの度に油圧のフットブレーキを効かせる格好になります。それでも下り終わる頃には、駆動バッテリーがほぼ充電できました。

■上りのアクセル全開&爽快ドライブに、”なるほど”

続いて上りの走りを再確認すべく、スポーツモードを試します。軽快だったステアリングがグッと重くなって、走りのムードを引き立ててくれます。アクセルを踏み込むと、エンジンとモーターのレスポンスが良くなるため、コーナーからの立ち上がりも速くなりました。

もっとも、スポーツモードに切り替えても最大出力は変わらないので、パワーの頭打ち感も変わりません。またレスポンスと加速が良くなる反面、駆動バッテリーの消耗も早くモーターのアシスト時間も短くなってしまうので、「ターンパイクでの長い上りでは長短あり」という印象でした。

ただ最初の上りで感じた「パワー不足でも、なぜか走りが心地良い不思議」の理由は、2つあることに気づきました。

1つ目は、下りと同じく優れた操縦性と安定性です。速くはないのにターンパイクをスルスルと上がっていくドライビングは、新鮮な感覚でした。2つ目はアクセル全開の感覚で、街中や高速では自然とアクセルを抜いたECO運転になる分、エンジンとモーターを回し切るヤンチャな意外性が楽しく感じられたのです。

新型C-HRはもっとパワーがあったら、もっと走りが楽しいクルマになることは間違いありません。でもよりパワフルなユニットを期待してしまうのは、昭和世代の悪い癖かな……

■下りでは、Bシフトでの「ワンペダルドライブ」が”なるほど”

更に下りでは、もうひとつ隠し味的なドライビングがありました。DシフトをBシフトに切り替えると、アクセルオフの回生ブレーキが強く効くために、フットブレーキに頼らなくてもコーナーを抜けていくことができるのです。

また軽くアクセルを踏めば回生を緩めてスピードアップできるので、ノートe-POWERのように「ワンペダルドライブ」的な走りを楽しめます。ちなみにモーター回生も効率が良いようで、駆動用バッテリーはターンパイクを下り切る前に満充電になりました。

ターンパイクでは、新型C-HRハイブリッドの優れた操縦性と安定性に加え、下りの「ワンペダルドライブ」的な走りという隠し味を確認することができました。

ただパワー面で見ると、上りでは2度の頭打ちを強いられるという厳しい結果となりました。それでは一般道の山坂道ではどうなるかが、大いに気になりますよネ。そこでターンパイクの後は、低速のワインディングが連続する箱根から芦ノ湖、御殿場に抜ける一般道で走りを試すことにしました。

(星崎 俊浩)

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第545弾新型C-HRのすべて (より深く知りたい方はこちらがオススメ)
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