最近話題の学校の“理不尽なテスト採点”、その理由を現場の教師が語る

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 さて問題です。3人に、アメを5個ずつ配りました。全部で何個配ったでしょう。

 大人なら回答はすぐ15と出せますが、最近の子どものテストでは、ちょっと注意しなくてはいけない点があるんです。

 実はこの問題、5×3=15と書いたら不正解になってしまうことがあるんです。そんなケースでの正解は、問題に出てきた順番どおりに、3×5=15。掛ける側と、掛けられる側の順序が形式通りになっていないと、不正解という教師がいるんです。

 このような「正解にしてもいいんじゃない?」という学校の採点の話題は、最近インターネット上でよく出てきます。上記の他にも、・・など、マルで囲まれた選択肢が用意されている場合、回答も数字をマルで囲まないとバツになったり、足し算しか習っていないのにかけ算で答えを出したら不正解になったりなど、そのパターンは多種多様。しかも漢字の書き方では、止めやハネだけでなく、バランスが悪いだけでバツにされることもあるんだとか。

 現場の教師は、こうした理不尽な採点についてどう思っているのでしょうか。

「明らかに理不尽なものもネットでは見かけますが、テストの際には『このように解いてください』と指示をした上で解かせているものもあります。そうしたケースでも、親が知らずにネットに挙げてしまうことがあるので、理不尽だと感じたらアップする前に聞いたほうがよいかもしれません」(40代小学校教師)

「漢字の場合は、できるだけキレイに書けるようになってほしいという思いで、つい厳しく採点してしまうこともありますね」(40代中学校教師)

 ちなみに受験などに出てくる漢字の問題では、採点の指針は文化庁の「常用漢字表」が基準になっているといいます。そこでは、止めやハネさえできていなくても、「その文字特有の骨組みが読み取れるのであれば、誤りとはしない」ということになっていますが、学校のテストではそうはいかないことも多いよう。

 テストの採点基準は「ひとつに決められているわけではなく、学校や教師によっても変わります」(30代小学校教師)というから、子どものテストが返ってきたときには、点数だけで判断せずに、その内容をよく確認するとよいかもしれませんね。