女性の給料は安すぎ FB女性幹部ら「格差解消」運動を拡大

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今年の全米「イコール・ペイ・デー」(同一賃金の日)となった4月4日、フェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグが率いる女性支援団体「LeanIn.Org」が、男女間の賃金格差の解消を訴えるキャンペーン「#20PercentCounts」を展開した。

キャンペーン名の20%は、米国女性の平均賃金が男性より20%低い事実に由来する。LeanIn.Orgは同団体のサイトで、最新の調査結果にもとづく様々なデータを公開。格差は人種によって異なり、黒人女性は37%、ヒスパニック女性は46%低い事実や、女性の賃金が男性と同等になれば310万人の働く女性とその家族が貧困から救われること、女性の生涯賃金が53万ドル(約5900万円)増えること、そして年間5000億ドル(約55兆円)以上の経済効果をもたらすことなどをわかりやすく説明している。

LeanIn.Orgはまた、全米の企業に対し、商品の20%割引や啓蒙活動の実施を呼びかけ、規模も業種も様々な企業が賛同を表明した。

テック業界でいち早く男女の給与平等実現に乗り出したことで知られるセールスフォース・ドットコムは「#20PercentCounts」のインターネット広告費やイベント開催費用など、キャンペーン全体の制作費を支援。

クリフ・バーの姉妹ブランド、ルナ(LUNA)は、オンラインショップ上でエナジーバーの割引を1週間行うほか、女性を対象とした給与交渉のワークショップ開催費用に10万ドル(約1100万円)を寄付した。同社の共同創業者は米国で最も成功した女性起業家の一人とされるキット・クロウフォードだ。

配車サービスのリフト(Lyft)も、ライバル社のウーバーがセクハラ問題でバッシングを受けている中、4月4日の乗車料収入の20%を女性支援団体に寄付すると発表した。

コメディー制作プロダクションのファニー・オア・ダイ(Funny or Die)と動画配信サービスのフールー(Hulu)は、男女の賃金格差を皮肉った短編映像を共同制作し、双方のサイトで公開した。キャンペーンには他にも各地の飲食店や小売店などが参加しており、賛同企業のリストはLenaIn.Orgのサイトで見ることができる。

トランプ政権には反対のポジション

LeanIn.Org共同設立者のレイチェル・トーマスによると、「#20PercentCounts」の構想はLeanIn.Orgのワシントン支部のピアグループ(同じ境遇の人々のグループ)が2年前に実施した取り組みにさかのぼる。「彼女たちが地元の企業を1社ずつ訪ね、賃金格差に見合うディスカウントをお願いしたのが始まりです。それを全国区に広めたいと思いました」

サンドバーグが2013年に上梓した「LEAN IN 女性、仕事、リーダーへの意欲」は、今や働く女性のバイブルになっている。それに伴い、LeanIn.Orgでは「サークル」と呼ばれる女性のピアグループが150カ国で約32000グループも形成されている。

トランプ政権は賃金格差の解消に後ろ向きだが、トーマスらは企業が政府の方針に逆らって男女平等を推進することを期待している。トーマスが成功事例として挙げるのは、セールスフォース・ドットコムが2015年、全社員17000人に対して行った内部監査だ。企業は自社内でジェンダーや人種による不平等がないかどうかを徹底的に調査すべきだとトーマスは言う。

LeanIn.Org発起人のサンドバーグは、今回のキャンペーンの立ち上げにあたり、次のように語っている。「ジェンダー間の平等を実現する上で、賃金格差の解消は不可欠です。これは社会が女性の労働や知識、時間、スキルなどをどう評価するかという問題、つまり女性の価値とは何かという問題です。これほど根本的な問題が他にあるでしょうか」