強力助っ人を擁する柏の攻撃陣。前評判は高かったが結果は出ていない。写真:田中研治

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 強力攻撃陣--。
 
 開幕前、柏はそう評され、クリスティアーノ、ディエゴ・オリヴェイラ、ハモン・ロペスのブラジル人トライアングルの結成は大きな期待を抱かせた。
 
 ところが、R・ロペスは開幕の鳥栖戦の負傷以来5試合連続で欠場し、クリスティアーノとD・オリヴェイラはふたり合わせて3得点、しかもいずれもPKによるものと、期待通りの破壊力を披露するには至っていない。
 
 チームの総得点7を見ても、PKが3点、セットプレーが2点で、流れの中からの得点は開幕戦の武富孝介のヘッドと前節・広島戦での大谷秀和のロングシュートのみ。ホーム3試合に限れば、得点はわずかに1。前評判の高かった“強力攻撃陣”は、得点力不足に陥っている。
 
 今節の清水戦は前半から主導権を握り、相手を自陣に釘付けにした。しかし、相手の倍以上となる16本のシュートを放つも、決定機を逸し続け、逆に清水に数少ないチャンスを仕留められて敗れるという、前々節の仙台戦と酷似した形での敗戦となった。
 
 仙台戦も清水戦も圧倒的に押し込み、決定機をモノにできなかったのは確かだが、ボールの保持率と決定機の数が比例しているとは言い難い。
 
「もっと厚みのある攻撃をしなければいけなかった」(大谷)
「組み立てはうまくいっていたけど、最後の仕上げのところで怖さがない。シュートの数は多いけれど効果的なシュートではなかった」(中川寛斗)
 
 クリスティアーノ、伊東純也、大津祐樹らを揃える柏攻撃陣の強みはサイドアタックにある。清水戦でも決定機はすべてサイドからの攻撃だった。
 
 ただその一方で、くさびの縦パスから攻撃のスイッチを入れ、コンビネーションで中央を崩すシーンは皆無に等しかった。
 
 厳密に言えば、大谷や手塚康平から良いタイミングで前線のD・オリヴェイラ、中川に縦パスは何度か通っている。
 
 しかし中川は「バイタルエリアで受けてもワンツーやコンビネーションが足りない」と局面を振り返り、縦パスが入った後に連動性を欠いたことを指摘。手塚も同様に、「自分たちがアイデアを持てなかったことが崩せなかった原因」と反省の弁を述べた。
 昨季もコンビネーションによる崩しは多くなかったものの、クリスティアーノやD・オリヴェイラの個の力による“一発”が飛び出し、勝利を手繰り寄せてきた。
 
 だが今季、クリスティアーノのドリブルは相手のマーカーにことごとく引っかかり、シュートの大半は枠を逸れる。
 
 D・オリヴェイラは懐深いキープ力とパワフルな突進でボールを失うことはないが、清水戦では球離れの悪さが仇となった感は否めなかった。
 
 そしてR・ロペスは冒頭で述べたとおり戦線離脱中である。崩せない時の頼みの綱だった“一発”が、今年はここまで影を潜めている。
 
「勝つチームは外国籍選手に関係なく、バイタルエリアでいろいろなアイデアや選択肢を持っている」(中川)
 
 仙台戦も清水戦も、内容的には悲観するものではなかった。開幕直後に露呈した守備面の課題も、明らかに改善の方向へ向かっている。
 
 あとは攻撃面だ。外国籍選手の個の能力は柏の最大の武器だが、彼らの“一発”だけに頼らない攻撃のコンビネーションを構築できるか。そこに柏の巻き返しの鍵が隠されている。
 
取材・文:鈴木 潤(フリージャーナリスト)

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