AIエンジンを搭載した日本マイクロソフトの「Skype 翻訳」

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 日本マイクロソフトが4月7日に発表した、インターネット電話サービス「Skype/Skype 翻訳」での日本語によるリアルタイム会話翻訳機能は、すでにサービスを提供しているコンシューマ向けMicrosoft Translatorアプリの翻訳エンジンの大幅な刷新によって実現した。
 日本マイクロソフトのOfficeマーケティング本部シニアプロダクト 鈴木哉マーケティングマネージャーは「国内には約100万人の外国人労働者がいる。例えば、国際結婚した家族と親戚同士のコミュニケーションに役立つだろう。また、海外旅行先のレストランやホテルの予約、教育現場における海外の学校や生徒との交流などが考えられる」と、Skype 翻訳の可能性の高さを語った。

 刷新した翻訳エンジンは、AI(人工知能)技術を備えたニュートラルネットワークベースに変更し、ディープラーニングで自ら学習する機能を搭載するため、4月7日のサービス開始当初は多少の誤訳があっても、学習を重ねるたびに改善されていくという。

 具体的には、会話の10〜20%について、整合性があるかどうかを確認しながら深層学習を繰り返すことで改善されていく。

 4月7日から追加提供した新機能は次の3つ。対面のリアルタイム音声翻訳やグループでの会話をリアルタイムで翻訳する「Microsoft Translator ライブ機能」、リアルタイム会話翻訳でSkype for WindowsとSkype Preview for Windows 10向けの「Skype 翻訳」、プレゼンテーションでのリアルタイム字幕翻訳の「PowerPointアドイン」だ。

 また、Skype 翻訳が使えるのは、Windows PC版とWeb版で、スマートフォンやWindws 10 Mobileへの対応は未定とした。周囲の騒音などを拾うと翻訳の精度が落ちるためだ。なお、個人向けのOffice 365に加入しているユーザーは、毎月60分のSkype電話が無料で使える。

 実際の体験デモでは、こちらから日本語で話しかけると、ヘッドホンを通じて英語など9か国語の言語に翻訳して相手と会話ができる。相手が英語で話した内容は、日本語の音声に翻訳される。また、画面にはチャット形式で、こちらと相手の会話が日本語の文字で表示された。

 短い会話ではっきりと話せば、同時通訳に近いぐらいの違和感のないスピードで翻訳された。誤訳されても、画面に日本語の文字が表示されるので、言い直せば大きな問題はなかった。

 2020年の東京五輪の開催や25年の大阪万博の誘致など、今後も外国人観光客の増加が見込まれる中、外国語が苦手な多くの日本人にとって、円滑なコミュニケーションがとれる翻訳機能のさらなる進化が期待される。(BCN・細田 立圭志)