熊本県民からも絶大な人気だった
佐藤健

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 「くまもと復興映画祭powered by 菊池映画祭」2日目の4月8日、熊本県菊池市の菊池文化会館で「世界から猫が消えたなら」が特別上映され、主演の佐藤健、同映画祭ディレクターの行定勲監督がゲストとしてトークショーに登壇した。前日の開会式でレッドカーペットを歩いた佐藤の人気は圧倒的で、この日の前売りチケットは2分で完売。当日は立ち見も出るほどだった。

 行定監督は、近年の佐藤健の出演映画について「どの役も素晴らしい。彼は格好良くない役、嫌なヤツを演じるのがとても上手い」と絶賛する。なかでも今作は、好感度のある“僕”と、嫌な一面のある“悪魔”、2つのキャラクターを演じる難役だが「その都度、話し合いながら撮影していった」そうで、僕と悪魔がスクリーンに同居するシーンについては、スタントダブル(身体の一部などの代役)を使ったことなど撮影方法も明かした。

 佐藤は「誰もが持っている大切なものが3つあるとしたら、家族・友だち・恋人。この映画はそれぞれに焦点をあてて描いています。映画を観ながら登場人物に共感するというよりも、自分の人生を思い起こすのではないかと思うんです」と語るように、上映終了後には涙で鼻をすする人も多く見受けられた。佐藤自身もクランクイン前に母親に会いに行き、自分にとっての大切なものを思い起こして撮影に臨んだという。

 2日間にわたり同映画祭に参加した佐藤は「行定監督や高良健吾さん、熊本の人たちの地元愛は想像以上でした。高良さんとお会いしたときに“本当にありがとね”と言われたのが衝撃的で。彼は俳優である以前に熊本人なんだという気持ちを強く感じました。みんなの復興したい、誰かを支援したいという気持ちがあるからこそ、昨日のオープニングに1万人以上が集まった。それは(いい意味で)普通じゃないことです。今回、映画祭に参加してより熊本のことが好きになりました」と感動を伝えた。

 佐藤が同映画祭に参加するきっかけを、行定監督は「震災後、熊本に入って支援してくれていることを聞いて、もしかしたらと思って声をかけました。きっと、彼もみんなに見せたい映画があるのではないかと。そのひとつが、ちょうど震災で熊本の映画館が開けられなかったときに(全国で)かかっていた『世界から猫が消えたなら』でした。この映画は、生きることの大切さと尊さを描いていて、それが今の熊本の人に響くと思った。佐藤健は映画の力を信じている人、そして映画は受け手によって無限だと再確認しました」と映画の力を力強く語った。

 菊池映画祭は4月9日まで、熊本市で開催中。