中国の慣用句に「授人以魚不如授人以漁」というのがある。この慣用句は「魚を恵むよりも漁を教えよ」という意味となるが、「人に知識を伝えるよりも、学習方法を教えよ」といった意味で用いられることが多い。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国の慣用句に「授人以魚不如授人以漁」というのがある。この慣用句は「魚を恵むよりも漁を教えよ」という意味となるが、「人に知識を伝えるよりも、学習方法を教えよ」といった意味で用いられることが多い。

 この慣用句の原則は様々な分野に適用することができるが、中国メディアの今日頭条が6日付で掲載した記事は「中国人が日本から持ち帰るべきなのは温水洗浄式便座ではない」とし、中国人が日本から持ち帰るべきは「日本のトイレ文化である」と論じている。

 記事は、日本を訪れたすべての中国人旅行客は日本滞在中に温水洗浄式便座の快適さを味わっていると説明。日本のトイレはいつでも清潔で、便座はいつでも適温であると指摘し、日本のトイレは中国人旅行客たちに「史上前例がないほど芸術感に満ちている」と実感させるほど優れていると称賛した。

 また、日本人は公衆トイレ利用者が心地良くトイレを利用できるよう「細かな点に本当によく配慮している」という見方を示し、例えば新幹線には和式、洋式、男性用の3種類のトイレが設置されており、また、揺れ対策のためにトイレ内には手すりが設けられていると説明。また、スペースは狭くても利用しやすい合理的な設計となっていると称賛した。

 さらに日本の公衆トイレには、次の利用者のために清潔に使用するようお願いする注意書きがあると紹介。また、デパートのトイレも「とても思いやりのある」設計になっているとし、子ども専用の背丈の低いトイレやオムツ交換用の設備、ハンドドライヤーまでも設置されていると説明、日本人はトイレ文化を非常に重視しており、それによって今日の使いやすいトイレが出来上がったと主張。中国人旅行客が日本で温水洗浄便座を爆買いしたことは記憶に新しいが、日本から持ち帰るべきは洗浄便座というハードではなく、文化というソフトであると論じた。

 記事が称賛する日本のトイレ文化の根底にあるのは、何と言っても使用者の使い勝手や心地よさに対する十分な配慮だ。記事はこの考え方を身に着けるよう読者にすすめているが、こうした使用者の観点に立った考え方や設計は、トイレに限らず日本の様々な製品や公共施設にもはっきりと反映されている。もし、中国企業が日本文化の根底にある他者への思いやりを学ぶことができれば、中国製品のクオリティは恐らく以前とは全く違うものになるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)