訪米した中国の習近平国家主席をシリアへの「トマホーク」攻撃の礼砲で“歓迎”したトランプ米大統領。北朝鮮に警告すると同時に中国にも圧力を掛けたが、首脳会談で北朝鮮問題をめぐる米中の溝は埋まらないままだ。

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2017年4月8日、米国を訪問した中国の習近平国家主席をシリアへの「トマホーク」攻撃の礼砲で“歓迎”したトランプ米大統領。核・ミサイル開発を強行する北朝鮮に警告すると同時に、後ろ盾の中国にも圧力を掛けた。しかし、首脳会談で習主席は「対話重視」を繰り返しただけ。北朝鮮問題をめぐる米中の溝は埋まらないままだ。

今回の米中首脳会談に先立ち、トランプ大統領は英紙「フィナンシャル・タイムズ」とのインタビューで「もし中国が北朝鮮問題を解決しようとしなければ、われわれが行う」と言明。核開発を続ける北朝鮮への圧力を中国が強めなければ、米国が単独で核の脅威を取り除くと警告した。ティラーソン米国務長官によると、トランプ大統領は首脳会談でも中国にさらなる行動を促し、「米国は単独で対応する用意がある」と述べ、北朝鮮への制裁の強化を迫った。

これに対し、中国国営新華社通信によると、習主席は双方の意見が異なる敏感な問題について「適切に処理し、建設的に管理しなければならない」と応じた。従来の「対話重視」を強調するにとどまり、踏み込んだ発言は避けたとみられる。

1日目の会談を終えた後の夕食会の冒頭、トランプ大統領は習主席を横にしながら、記者団に「長い時間話をしたが、何も得られなかった」と語り、さらに「全く何もだ」とわざわざ付け加え、不快感を隠さなかった。

最終的に両首脳は北朝鮮の核・ミサイル開発が「深刻な段階」に達したとの見方を共有し、北朝鮮の核放棄に向けて協力を強化することだけで一致。ティラーソン国務長官は「朝鮮半島の非核化への取り組みをめぐり幅広く意見交換したものの、問題を解決する包括的な案を話し合うまでには至らなかった」と説明した。

米中首脳会談について、韓国・聯合ニュースは「議論は平行線をたどり、2日間続けてきた北朝鮮問題の調整は失敗に終わった」と報道。「これまでの首脳会談では共同会見か、合意に失敗した場合でも共同声明を発表しており、今回のような状況は極めて異例と言える」「北朝鮮の核脅威が深刻な段階に達したことは米中両国がすでに共有してきた事実で、新しい内容とは言えない。お互いの立場だけを確認して終わったとみることができる」と指摘した。

米国の独自対応に関しては「北朝鮮へのテロ支援国再指定、対北サイバー戦強化、北朝鮮と取引する第三国の企業・個人への制裁、同盟国に対するミサイル防衛システムの強化などがあるとされる」と伝えた。

一方、シリアの空軍基地に巡航ミサイルが次々に着弾する映像を目の当たりにした北朝鮮が、核・ミサイル開発にますます突き進むのは必至。米国の圧力をかわして金正恩政権にどう向き合っていくのか、中国にとっても難しいかじ取りを余儀なくされそうだ。(編集/
日向)