高校の新聞部が校長の学歴に疑いを持ち、自力で調査した結果を公表したところ、学校理事会がそれを認め、校長が退任するという出来事が米国カンザス州であった。

実在しない大学を卒業?

米国ピッツバーグ高校新聞部の部長、マディ・バーデンさんは、3月6日から着任した新しい校長の紹介記事を書くために、経歴が事実であることを一応チェックした。すると、学歴に怪しい点が見つかった。

新任のエミー・ロバートソン校長が博士号を取得したとされている大学、コリンズ大学が、実在していないようなのだ。

そこで新聞部員(6人)が調査を開始。まず調べたのは大学のサイトだった。

そのサイトは見かけは端正にデザインされているが、大学の所在地はどこにも書かれていない。また、文章には(大学であるにもかかわらず)スペリングミスが多く、リンクのほとんどが切れていたという。

学位証明書を売るだけの大学か

高校の新聞部員たちは、さらに数週間かけて調査を進めた。すると、その大学が「ディプロマ・ミル」と呼ばれていることがわかった。ディプロマ・ミルとは、学位証明書(ディプロマ)をお金で売るだけの、実態のない大学のことだ。

米国教育省の係官は「コリンズ大学が実際に運営されているという証拠は見つからない」と言い、高校生たちの調査結果を追認している。

学校新聞でスクープ

新聞部はこうした調査結果をまとめ、3月31日発行の学校新聞「The Booster Redux」で発表。その内容を重く見た学校は4日後に理事会を開いた。

ロバートソン校長は、「私は2010年に(コリンズ大学で)博士号を取っており、現在のその大学の状況がどうなっていてもそれは関係ない」としながらも、理事会では辞任を表明。理事会はそれを受け入れた。

新聞部の顧問を務めるエミリー・スミス教諭によれば、「理事会に呼ばれていた新聞部員からたくさんの細かい質問を受けたロバートソン校長は、最後には矛盾した答えをするようになった」とのこと。

また、スミス教諭は「大人の言う事を鵜呑みにしなかった生徒たちに誇りを感じている」とメディアに語っている。

ちなみにカンザス州では、アマチュアを含めてジャーナリストは法律で保護されており、学校の先生といえども学校新聞の記事を検閲することはできない。