カリフォルニア大学バークレー校(UCB)が無料で公開していた2万以上の講義映像が「障害者向け対策ができていない」ということを理由に全削除を余儀なくされたのですが、コンテンツ共有プラットフォームの「LBRY」がコンテンツを復活させ、自社プラットフォームで無料公開しようと試みています。

U of California, Berkeley, to delete publicly available educational content

https://www.insidehighered.com/news/2017/03/06/u-california-berkeley-delete-publicly-available-educational-content

UCBはこれまで、大学の講義を録画したムービーなどをインターネット上で無料公開していましたが、ワシントン州のギャローデット大学の職員2人から「オンラインで公開されているムービーは障害を持つアメリカ人法(ADA)に違反している」と訴えられていました。

UCBは(PDFファイル)リリースの中で、無料公開しているコンテンツは「多くのムービーに字幕がない」「グラフやチャートなど、ムービーを理解するための代替方法もない」「ムービーのいくつかは自動で字幕がつくが不正確である」という理由からADAに違反しており、アメリカ合衆国司法省にコンテンツを障害者向けにするよう命じられていることを発表。しかし、大学の予算が減少しており、また州からの補助金も縮小する中で、コンテンツを障害者向けにするのが難しい、ということになり、UCBは「コンテンツを削除する」という選択をとることを決断しました。

コンテンツは、以下のウェブサイトやYouTubeチャンネル、世界中の大学の無料講座を見られるiOSアプリ「iTunes U」などで公開されていましたが、これら2万本以上のムービーをUCBは全て削除する予定。それ以降にムービーを視聴するためにはUCBのアカウントにログインする必要があるとのこと。

Home - Webcast and Legacy Course Capture Content

http://webcast.berkeley.edu/



YouTubeチャンネルには「コンテンツは2017年3月15日よりアクセス不可能になっていきます」と表示されていました。なお、全てのムービーが完全に削除されるまでには3〜5カ月かかるものと見られています。

UCBerkeley - YouTube

https://www.youtube.com/user/UCBerkeley



しかし、そんな中でコンテンツ共有プラットフォームの「LBRY」が、削除される前にコピーした約2万の講義ムービーをプラットフォームにアップロード。記事作成時点ではまだ一般公開されていませんが、4月中には誰でも無料でアクセス可能になる予定です。

20,000 Worldclass University Lectures Made Illegal, So We Irrevocably Mirrored Them - LBRY

https://lbry.io/news/20000-illegal-college-lectures-rescued



LBRYのCEOであるJeremy Kauffman氏は、「大学が講義を取り下げざるを得なくなったのは残念なことです。しかし、私たちは字幕無しでも、ムービーが全くないよりはマシだと考えています」ということで公開に踏み切ったとのこと。取り下げられた映像のライセンスはCC BY-NC 4.0だったので、LBRYが非営利目的で映像を公開するのは問題がないというわけです。

Kauffman氏は「私たちのコミュニティは、消えるべきでない情報が消えてしまった時に動力を得ます。そして我々の技術は情報を存在させ続けるのです」と語りました。