血液サラサラ食事の新常識?「オサカナスキヤネ」

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執筆:永吉 峰子(管理栄養士)

血糖値や中性脂肪などが高い血液はドロドロ血液とも言われ、生活習慣病の原因となっています。

そんな中で血液サラサラを目指す食事の合言葉としていわれているのが「オサカナスキヤネ」です。

今回はこの「オサカナスキヤネ」の内容について、ご紹介していきましょう。

「オサカナスキヤネ」とは?

「オサカナスキヤネ」は血液をサラサラにするために食べたい食品であるお茶、魚、海藻、納豆、酢、きのこ、野菜、ねぎの頭文字をとった合言葉です。

食材を覚えやすいようにと、前東京女子医科大学教授で栗原クリニック東京・日本橋院長の栗原毅医師によって提唱されました。

「オサカナスキヤネ」の中身とは?

「オサカナスキヤネ」の食材ごとに、どの成分が血液サラサラに影響しているのかを解説致します。

1.オ:お茶

お茶にはカテキンという成分が含まれています。カテキンはお茶の渋みとなっている成分です。

カテキンには老化やガンの元になる活性酸素と強く結びつき、体内での活性酸素の発生を抑える抗酸化作用という働きあります。

その為、カテキンを摂ることで血管の老化を防ぎ、血液の循環をよくすることが期待できます。

またカテキンにはコレステロールや脂肪の吸収をおさえる働きもあります。

2.サ:魚

魚、特に青魚にはDHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸という成分が含まれています。

このオメガ3脂肪酸には、血液中のコレステロールや中性脂肪を低下させる働きがあります。

また、血管が詰まる原因となる血栓ができるのを防止する働きもあります。

3.カ:海藻

海藻には食物繊維が豊富に含まれています。

特にめかぶやもずく、昆布にはねばねば成分として水溶性食物繊維が豊富に含まれています。

水溶性食物繊維はねばねばしていることで、食べ物の消化吸収を穏やかにする働きがあります。その為、血糖値の上昇を穏やかにしたり、脂肪の吸収を抑えたりすることが期待できます。

また、血液がドロドロになってしまう原因は血糖値やコレステロール・中性脂肪などの数値が高いことですが、これらの原因の1つが内臓脂肪と言われています。

その為、血液サラサラを目指すならば肥満の予防は大切です。

水溶性食物繊維を摂取すると血糖値の上昇がゆるやかになります。すると血糖値を下げるインスリンというホルモンの分泌も少なくてすみます。

インスリンには血糖値を正常に保つ以外に、糖を脂肪に変えてしまう働きもあります。

その為、血糖値の上昇が穏やかにすることでインスリンの分泌が少なくてすんで脂肪がつきにくくなり、結果、血液ドロドロを回避することも期待できます。

4.ナ:納豆

納豆に含まれる納豆菌にはナットウキナーゼという成分が含まれています。

このナットウキナーゼには血液の固まりである血栓を溶かす働きがあるのではと言われています。

その為、ナットウキナーゼを摂ることで障害物が取り除かれ、血流がよくなるのではとされています。

5.ス:酢

酢には内臓脂肪をつきにくくする作用があるとされています。

また、血糖値の上昇を穏やかにしたり、血中脂肪を抑えたりする働きもあります。

6.キ:きのこ

血液サラサラの指標は様々ですが、血液中に含まれている白血球などの固形物が正常値であることも指標の1つです。

風邪やインフルエンザになると白血球が増加し、血液がドロドロの状態になってしまいます。

その為、免疫機能をアップし、風邪やインフルエンザにならないことは血液サラサラにとって重要なポイントです。

きのこにはβ(ベータ)グルカンという物質が含まれています。

βグルカンは免疫機能に関与する物質を活性化する働きがあります。その為、βグルカンを摂取することでインフルエンザや風邪を予防することが期待できます。

風邪やインフルエンザにならなければ、白血球の上昇を予防できるので血液がドロドロになるのを回避できるのです。

また、なめこのねばねば成分であるムチンには、血糖値の上昇を穏やかにしたり、脂肪や悪玉コレステロールの吸収を抑えたりする働きがあります。

7.ヤ:野菜

野菜には様々ビタミン、ミネラルが含まれており、食物繊維も含まれています。

その為血糖値の上昇を穏やかにしたり、脂肪や悪玉コレステロールの吸収を抑えたりすることが期待できます。

また、トマトのリコピンや人参のβカロテン、紫キャベツのアントシアニンなど抗酸化物質を含む野菜もあります。

8.ネ:ねぎ

ねぎ類にはアリシンという物質が含まれています。

アリシンには血中コレステロールを低下させる働きや、血糖値の上昇を穏やかにする働きがあります。

また血栓をできにくくし、血流を改善する働きもあります。

「オサカナスキヤネ」と一緒にバランスのよい食事を

「オサカナスキヤネ」の食材をご紹介しましたが、食品は薬ではないので、残念ながらこれを食べればすぐに血液サラサラという訳にはいきません。

また、食事のバランスが悪かったりカロリーオーバーだったりすると肥満につながり、肥満が血液ドロドロの原因になってしまいます。

その為、「オサカナスキヤネ」を取り入れるだけなく、基本となる食事も大切なポイントです。


「オサカナスキヤネ」を上手に取り入れつつ、バランスよく腹八分目を心がけてみてくださいね、

【参考】
日経Goody『緑茶習慣で「血液サラサラ」! 「認知症予防」にも』(http://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/16/052600030/060700004/)


<筆者プロフィール>
永吉 峰子(ながよし・みねこ)
管理栄養士。大手小売企業にて店長、商品開発を経験後、現在は「健康」「食」に関する執筆を中心に活動中