赤ちゃん用ハイヒール販売の米企業に批判集中、女性の「物扱い」を助長?

写真拡大

「明らかにばかげた商品」を販売しているとして、赤ちゃん用のハイヒールを扱う米ピーウィ―・パンプス(Pee Wee Pumps)に対する批判の声が高まっている。ゼブラやヒョウをはじめとする派手な柄のハイヒールは、2014年から販売されている。だが、英国を拠点とする監視団体レット・クローズ・ビー・クローズ(Let Clothes Be Clothes)での指摘がきっかけとなり、インターネット上で大きな批判を浴びることになった。

同団体の活動家らは「不必要に性差を強調する子ども服」に異議を唱えており、ピーウィ―・パンプスの商品は、間違いなくこのカテゴリーに該当するものだ。ある投稿者が同団体のフェイスブックのページに、「この小さなハイヒールは赤ちゃんの性差を強調するものだ」と書き込んだたことを受け、英BBCや米トゥデー・ドットコムを含む両国の複数のメディアが、この話題を取り上げた。

ネット上には、ピーウィ―・パンプスの商品を販売・購入する人たちは「女の赤ちゃんを”物扱い”している」「身体的な発育に悪影響を及ぼしている」「小児性愛を助長している」などの非難的なコメントが溢れている。

大人向けの衣料品を乳児の身に着けさせることへの反対は、筋の通った主張だ。だが、ピーウィ―・パンプスを巡る議論はネット上で非常に多くなっているさまざまな批判と同様、商品そのものに関するものではなく、理不尽な論争になってきている。

まずは、事実を確認しておこう。ピーウィ―・パンプスはそもそも、物珍しさを狙った商品だ。同社のウェブサイトに明記されているように、よちよち歩きどころか大半はハイハイもまだできない生後6か月未満の赤ちゃん向けのものだ。歩き始めたばかりのわが子にこのハイヒールをはかせる母親がいたら、それはモンスターだろう。

そして、同社ウェブサイトに掲載された写真が示すとおり、このハイヒールはスマートフォンの時代にごく一般的なことになっている「写真撮影」用に作られたものだ。まだ歩けない娘によそ行きの服を着せ、その仕上げにハイヒールを履かせたい母親も中にはいるだろう。人の価値観はさまざまだ。そのことが必ずしも、その女性が映画「愛と憎しみの伝説」に登場する娘を虐待する母親と同じということを意味するわけではない。

ピーウィ―・パンプスを批判する人たちが提起するより大きな問題――女性の性を意識させる衣類を赤ちゃんに着せることが適切かという問題は、議論する価値があるものだ。しかし、それは何もこの商品に限って議論すべき問題ではない。

例えば、赤ちゃんにビキニを着せるのは適切だろうか?本人がまだ言葉を話せず、意思を示すことができないうちに、耳にピアスの穴を開けることはどうだろうか?赤ちゃんには行為の主体性も、身体の自律性もほとんどない。

ジェンダー(性差)による役割やジェンダー・アイデンティティー(自分自身が認識する性別)、女性の権利をめぐる議論がますます広がりを見せる中で、既成概念に当てはめるような商品を子どものために購入するかどうかについては、親たちがより気を使うようになることを願いたい。

赤ちゃん用のハイヒールが気に入らなければ、購入しなければいい。購入する母親たちは、赤ちゃんをセクシーに見せようとしているのではなく、ふざけているだけだと善意に解釈してあげよう。そして、子ども向けに「ピンクかブルー」や、「人形かフットボール」、といった選択肢以外も提供する企業の商品を選ぼう。