運輸会社にとって荷物が多いのは商売繁盛であるには違いないだろうが、何事も限度というものはあるのである。

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 「クロネコヤマトの宅急便」を運営する宅配最大手、ヤマト運輸が、インターネット通販大手Amazonの「当日配送」サービスからの撤退を検討している、と各社が報じている。

 インターネット通販の拡大などを背景に、ヤマト運輸の受託荷物量は2017年度、約18億7,000万個。過去最高の記録となったが、業界全体で人手不足は慢性化しており、ヤマト運輸労働組合からも状況の改善が求められていた。

 さて、Amazonの「当日配送」である。エリアと注文時間に多少の制約はあるとはいえ、Amazonは巨額の資金を投じた圧倒的な自社インフラによって膨大な点数の商品の「当日配送」を可能ならしめている。(サービスを最大限受けるにはプライム年会費が3,900円かかるとはいえ)ワンクリックで、注文したその日のうちに、商品が届く。それがインターネット大手としてのAmazonの最大の武器であるといえよう。

 しかし、当然のことではあるが、当日配達の荷物は夕方から夜間に集中する。午前中くらいに受けた注文をその日のうちに配送するサービスなのだから配達は当日の遅い時間になるのは自明の論理的帰結だ。しかしドライバーにとっては、遅い時間帯にどっと荷物が押し寄せてくる形になっているわけで、かかる負担は大きい。

 その上、Amazonは大口顧客であるために割引運賃が適用されているため、収益面でもヤマトにとって問題がある、とされている。要するに、忙しいばかりどんどん忙しくなって、あまり儲からないのである。ヤマト運輸側にしてみれば。

 Amazonはこれを受け、当然、ヤマトと何らかの交渉を行っていくことになるものと思われるが、果たしてAmazonはどう動くのであろうか?当日配達の荷物量縮小、というヤマトの要求に応えるためにはAmazonのサービスを縮小せざるを得ず、また収益面で譲歩を示すならば、今度はユーザーの側に、プライム料金値上げなどの負担がかかってくるかもしれない。

 なんであれ、多くの人にとってこれは他人事ではない問題である。今後とも状況の推移を見守りたい。