教育勅語の学校現場での扱いについて、教材活用を全面的に否定しなかった政府の答弁書に韓国紙が反発。「歴史と未来に深刻な罪」「軍国主義と侵略戦争を美化」などと安倍首相を非難している。資料写真。

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2017年4月7日、戦前の教育規範とされた「教育勅語」の学校現場での扱いについて、政府がこのほど閣議決定した答弁書に韓国紙が反発している。教育勅語の教材活用を全面的に否定しなかったためで、「歴史と未来に深刻な罪」「軍国主義と侵略戦争を美化」などと安倍晋三首相を批判している。

民進党議員の質問主意書に対する答弁書は教育勅語について「わが国の教育の唯一の根本とするような指導を行うことは不適切だ」との立場を明確にした。しかし、同時に「憲法や教育基本法などに反しないような形で教材として用いることまでは否定されない」との見解も示した。

これにいち早く反応したのが左派系のハンギョレ新聞。東京特派員発で「安倍政権が天皇に対する忠誠を強調するなど軍国主義教育の象徴だった『教育勅語』を学校教材として使ってもよいという閣議決定(韓国の閣僚会議議決に相当)をした。安倍政権の右傾化教育が露骨に強化されている」と報じた。

この中では「安倍政権の教育右傾化は、1次執権期の2006年からじわじわと進められてきた。06年には日本の教育の憲法と呼ばれた教育基本法(1947年制定)を改定し、愛国心教育を強化した」と言及。「幼稚園の子どもたちに教育勅語を暗唱させ、父母に対しては『韓国と中国が嫌いだ』と書いた手紙を送った大阪の塚本幼稚園事件は、安倍政権が進めてきた右傾化教育が生んだ極端な断面だ」と指摘した。

ハンギョレ新聞は「70年ぶりに復活した日帝の教育勅語」との社説も掲載。「自由な個人とその個人の安全と権利を保障する国家の役割、国民主権と個人の尊厳という現代的国家観とはあまりにもかけ離れている」「安倍首相は同盟国を訪問するたびに日本と同盟国が民主主義と人権、法の支配などの価値観を共有していると話す。そのような主張と教育勅語は絶対に共立しえないのに教育勅語を押しつける理由が何なのか尋ねたくなる」などとも述べ、「安倍首相は現在、歴史と未来に深刻な罪を犯している」と非難した。

保守系の中央日報も日本メディアを引用して「日本軍国主義の象徴の一つ『教育勅語』を生徒に教育することが可能になった」と報道。「1890年10月に『臣民教育の根本理念』として発布された。天皇が国民に下賜する一種の教育指針だ。1911年に天皇は当時の朝鮮の教育にもこれを適用するよう指示した」などと紹介した。

その上で「特に天皇に忠誠を尽くすべきという部分は、軍国主義と侵略戦争を美化したという批判を受けている。1945年8月に日本が第2次世界大戦で敗れた後、連合軍最高司令部(GHQ)によって翌年10 月に廃止された」と強調。「教育勅語が学校で教育される場合、韓国や中国など日本の植民統治を経験した周辺国と日本国内の市民団体の激しい反発が予想される」と伝えた。(編集/日向)