熊本県教育長に本を渡す佐藤

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 俳優の佐藤健が7日、熊本県の熊本市現代美術館で自著「るろうにほん 熊本へ」の完成報告会見を14日の発売に先駆けて行った。この書籍は全部で150冊、熊本県下のすべての高校等に寄贈されることが決定し、寄贈式には宮尾千加子熊本県教育長とくまモンが出席した。

 地元自治体の協力の下、昨年7月と8月に熊本県内で撮影が行われた「るろうにほん 熊本へ」は、震災の被災地となった熊本への思いが込められた書籍。埼玉県出身の佐藤だが、熊本は映画『るろうに剣心』の撮影でたびたび訪れた縁の深い場所で、売り上げの一部は熊本の地元自治体に寄付される。

 震災直後、炊き出しに赴き、現地で出会った人たちと触れ合う中で、「震災をきっかけに観光客が減ってしまって、実はそれが一番困っていると聞いた。僕たちも、震災直後ということで、良かれと思って(熊本へ)行かなかったと思う。これはもったいないことが起きていると。大変な時期だからこそ、来てほしいし、行った方がいいと伝えたかった」と書籍を出そうと思ったという佐藤。

 撮影で訪れた熊本の印象を改めて聞かれると、「映画『るろうに剣心』の撮影の時は、熊本の自然と関わることがあまりなかったのですが、今回いろいろな場所をまわらせてもらって、すごくきれいな景色とか水源とか、こんなに自然が豊かで、素敵な場所なんだと発見させていただきました」と語った。

 この本は、震災直後の熊本城や阿蘇神社の写真も収められており、忘れてはいけない震災の記録としても貴重な資料となっている。また、本の最後には、佐藤が熊本の人たちにとって、熊本城がいかに大切なのかを知ったことについて述べているところがある。

 佐藤は「熊本市長さんとお話しさせていただいた際、熊本城が崩れてしまったことで、すごく肩を落とされている人たちが多いと伺いました。熊本の皆さんにとって熊本城は、大切な存在なんだなと思ったときに、とても感動して。熊本のみなさんを尊敬し、改めて好きになりました」と述懐。

 「最初は観光客の方に向けて、熊本県外の方々に向けて作った本ではあるのですが、この本を読んでくれた熊本の方の声を聞くと、『住んでいても、知らなかったところがあった』など、素敵な感想をいただきました。県内のみなさんにも、楽しんでいただけるものになっているんだと思います。ぜひ手にとってもらいたいです」と思いを込めた。

 本を受け取った宮尾熊本県教育長は「美しくて素敵な本をありがとうございました。熊本へのエールと温かいまなざしが、いろいろなところで感じ取れました。たくさんの高校生たちが大喜びすると思います。わたし自身も意外と知らなかった、熊本の魅力の再発見になりました。ぜひ多くの人たちに読んでいただき、熊本に来ていただきたいです」と感謝。助っ人として登場したくまモンも大喜びで、佐藤に熱い抱擁をし感謝を表した。

 佐藤は同日、熊本市内で行われた「くまもと復興映画祭 Powered by 菊池映画祭」のオープニングイベントにも参加した。(編集部・中山雄一朗)