トランプ大統領は、アサド大統領を「シリアの独裁者」と断じた。

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 アメリカ国防総省ペンタゴンの声明によると、アメリカ軍が、内戦続くシリアの政府勢力であるアサド政権の支配下にある軍事基地に対し、ミサイル攻撃を行った。これは、4日に行われたとされる、アサド政権による自国シリア民衆への化学兵器の使用への制裁措置である、とされている。

 事実関係から整理していこう。まず、アサド政権による化学兵器の使用は、ハンシャイフンという町に対する空爆として行われたと「国境なき医師団」が発表している。今回、米軍による攻撃の対象となったのは、その空爆に際して使われた空軍基地であるらしい。

 その基地、シャイラート空軍基地に対する攻撃は、地中海に展開していた米海軍の駆逐艦、「ポーター」と「ロス」から行われた。対象は、シリア空軍機、燃料庫や弾薬庫、レーダー、防空施設などで、ミサイルは合計59発が発射された。

 ただし、攻撃はシリア軍の化学兵器使用能力を奪うためのものであって、人的被害を抑えるため、攻撃については事前に、アサド政権と密な関係にあるロシアに対し、警告が行われたという。

 また、シャイラート空軍基地にはロシア軍はそもそも駐留していないことが確認済みであり、アメリカとしては意図的に、ロシア軍との直接・間接的衝突を避けるための最大限の配慮を行っている形だ。また、ロシアの議員の声明によると、この攻撃によってロシアの民間人の被害は出ていないとのことである。

 とはいえ、当然ではあるが、アサド政権を支援する立場にあるロシアはトランプ大統領の今回の行動に激怒している。

 プーチン大統領は、アメリカの行動を「主権国家に対する侵略行為」であると断じ、「テロリズムに対する戦い」に向けた国際的連携に対し重大な障害となる、との認識を示した。

 オバマ前大統領の任期末期のトラブル以来冷え込んでいた米露関係は、ここのところ多少の雪解けを見せていたが、短期的な関係改善はもはや絶望的と見られる。

 なお、この攻撃を受けて国連安保理は急遽また緊急会合を開催したが、その場でアメリカの国連大使は、「シリアへの攻撃は今後も継続される可能性がある」という旨を言明している。