「理想は前の3人で崩す」…ゴールショーの主役を演じた興梠慎三のこだわり

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 興梠慎三にとって、まさに理想的な勝利となった。

 7日に行われた明治安田生命J1リーグ第6節、ホーム埼玉スタジアムにベガルタ仙台を迎えた浦和レッズは、大量7得点を奪うとともに今季初の完封勝利を収めた。

 ゴールショーの主役を演じたのは興梠だった。

 まずは20分、右サイドの関根貴大が左足で上げたクロスに大外から飛び込み、ドンピシャのヘディングシュートで先制点をマーク。「あの1点目が自分にとって非常に大きかった」という興梠は、27分にも関根のお膳立てからネットを揺らした。

 その後、武藤雄樹のゴールで1点を追加して迎えた前半アディショナルタイム2分には、「阿部ちゃん(阿部勇樹)がいけって言ってくれた」というPKを冷静に沈め、あっさりとハットトリックを達成。チームは後半にも李忠成や柏木陽介のゴールなどで3点を加え、7−0と大勝した。

 今季は新加入のラファエル・シルバが1トップに入り、シャドーの位置を担う機会が増えた興梠。だが、そのラファエル・シルバが右足の問題により2試合連続の欠場となったため、この日は前節のヴィッセル神戸戦に続いて最前線を務めた。

「ラファと自分では特徴が全く違うし、自分は一人で打開できるような力はないので、前の3人で崩すというのが自分の理想です。そういう意味では自分が1トップに入った時は、コンビネーションというのはこだわっています」。

 その言葉通り、興梠が流れの中から奪った2ゴールは、最終的には関根からのクロスに合わせたものだが、いずれもエリア内で武藤と李がDFを引きつけたことによって生まれた。そして、李の得点シーンでは、猛然とディフェンスラインの裏を狙った興梠が囮となり、アシストしたのは武藤だった。

 こだわりのコンビネーションが実り、今季リーグ戦では2度目となる“KLM(興梠、李、武藤)”揃い踏みも達成した。

「すごく楽しかったし、結果がついてきてくれたのでよかったなと思います」と、まさに理想的とも言える勝利に満足感を示した興梠は、「コンビネーションに関しては、怖さはないかもしれないけど、うまくいけば見ている側もすごく楽しいプレーを見せられるかなという気はします」とやや控えめに評したが、この日の結果は今後の対戦相手に十分過ぎるほどの“怖さ”を植え付けたに違いない。

取材・文=本間慎吾