国際社会の経済制裁で苦しむ北朝鮮は、自国の労働者を海外に派遣して外貨を稼ぎ出しているが、中国と並んで多くの労働者を受け入れている国がロシアであり、その数は4万人を超えた。

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、大韓貿易投資振興公社(KOTRA)の資料を引用し、2016年末の時点で、ロシアで働く北朝鮮労働者の数が4万人を超えたと報じた。2011年には約2万人と言われていたが、5年で2倍になった計算だ。

現場を離脱し不法滞在状態にある脱北者まで含めると、その数はさらに膨れ上がる。ロシア国内の脱北者の数は1万人にのぼると見られている。

昨年11月、国連安保理は対北朝鮮制裁決議2321号を採択したが、そこには外貨稼ぎを目的とした北朝鮮の労働者海外派遣を制限する条項が含まれている。ところが、ロシアはそれに反して北朝鮮労働者の受け入れを拡大させており、制裁破りを幇助しているとの批判は避けられないだろう。

それでもロシアが北朝鮮との関係を強めようとしているのは、米国が韓国で配備を進めている最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」など、米国の軍事力強化に対抗する目的があるものと思われる。

また、北朝鮮の安価な労働力で、極東地域の開発を進めようという目的もある。北朝鮮の労働力はウラジオストク、ハバロフスクなどのインフラ工事の加速化に欠かせないというのだ。

さらに、今年5月の韓国の大統領選挙では、北朝鮮に対して前政権よりは融和的な姿勢を取るものと思われる文在寅(ムン・ジェイン)氏の当選が有力視されているが、選挙後に北朝鮮、韓国、ロシアの3カ国で大規模送電事業や鉄道新設を進めようとしていることも理由の一つだとKOTRAは指摘している。