誕生日、おめでとう! 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1・6節]浦和レッズ 7-0 ベガルタ仙台/4月7日/埼玉スタジアム
 
 仙台戦前日の4月6日に誕生日を迎えた森脇が、攻守両面で7-0の大勝に貢献し、「31歳の初勝利」を幸先良く収めた。試合後に真っ赤に染まるゴール裏の前であいさつすると、サポーターから誕生日を祝福する”バースデー・ブーイング”が浴びせられた。もちろん本人はまんざらでもなく、両手を振って大きな笑顔を浮かべて応えた。
 
 森脇は嬉しさを噛み締めるように語った。
 
「いやいや、嬉しかったですよ。でも、(ハットトリックを決めた)慎三(興梠)がヒーローインタビューを終えたあと、少し遅れてゴール裏に来たんです。そしたら、すっかり慎三コール一色になっちゃって……」
 
 森脇をイジる祝福のブーイングタイムは(森脇本人が)思っていたほど続かず、間もなく「慎三ゴール」のチャントの大合唱に代わってしまった。
 
 なんだか喜びを爆発し切れない。ややシュールな幕引きもまた森脇らしかった。
 
 とはいえプレー面では、関根とともに右サイドを完全に攻略。高い位置から素早いプレッシングを心掛けてボールを奪い、素早く攻撃に転じて多くのチャンスを作った。
 
 27分、試合の趨勢を完全に手繰り寄せた貴重な興梠の2点目。森脇がペナルティエリア内に進入して、関根-森脇―関根のワンツーでDFを翻弄して敵陣を完全攻略。最後は関根が横パスをつなぎ、興梠が冷静に決めた。
 
「自分がシュートを狙おうとも思ったが、より確率の高いタカ(関根)にパスを出し、タカも慎三につないだから決まった」
 
 そう振り返る森脇の一瞬の判断が、その後のゴールショーにもつながっていった。
 
 そういった縁の下で献身的に支えるプレーは、浦和サポーターも認識しており、支持されている。そんな森脇を称えるような光景があった。
 
 バースデー・ブーイングよりも森脇が喜んだのが、ハーフタイムを挟んで後半45分間に向けて、浦和のイレブンがピッチに戻ってきた時のこと。
 
 サポーターがまずコールしたのが、森脇の名前だった。
 
 心のこもった森脇コールだった。
 
「はい、気付きました。嬉しかったです。ちょっと胸に響きしたね。もちろん、残り45分、『お前ら、今日こそは絶対に無失点に抑えろよ』というメッセージが込められていたと思います。だから、浮かれることはありませんでした。だから、試合後のブーイングもね、やっぱ、ちょっと嬉しかったです」
 
 そう語って、大きく頬を緩ませた。
 
 とはいえ、様々な経験を積みプロ13年目に突入。その技は職人的な領域にさえ入ってきたDFは、決して浮かれてはいなかった。
 
「試合には勝ち、無失点には抑えましたけど、反省点はありました。そこをしっかり修正することが大切ですから」
 
 31歳の森脇良太は、ひと味違うようだ。
 
 
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)