『夜は短し歩けよ乙女』 (C)森見登美彦・KADOKAWA/ナカメの会

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…中編「星野源はヘタレ男がよく似合う〜」より続く…

【元ネタ比較】『夜は短し歩けよ乙女』後編
まるで『ふしぎの国のアリス』のような物語

森見登美彦の原作をTVアニメシリーズ化して人気を博した『四畳半神話体系』のスタッフが再集結して製作した同原作者の「夜は短し歩けよ乙女」がアニメ映画化された。

ストーリーはあってなきようなものと言っては言い過ぎかもしれないが、主人公の“先輩”や彼の想い人の“黒髪の乙女”が巻き込まれる、ちょっと不思議な珍事件やクセのあるキャラクターたちが面白くて楽しくて、目の前で繰り広げられることに主人公たちとともに見てる側も巻き込まれていく。

それでもポップ過ぎることなく、シックで落ち着いた感じを与えるのは京都という舞台と、キャラクターデザインのおかげだろう。舞台は森見登美彦の出身大学である京都大学と思しき京都の大学やその周辺地域で、どこか懐かしく昭和の香りが漂うたたずまい。

キャラクター原案の中村佑介は手っ取り早く言うと林静一をリスペクトしてるというのが頷けるタッチ。林静一が誰かと言うと、ロッテの梅味キャンディのキャラクター「小梅ちゃん」を手がけるイラストレーターというとピンと来る人も多いだろう。中村佑介原案によるキャラクターたちは派手で華々しいわけじゃないが、愛嬌があってレトロでかわいい。

そんな主人公たちが繰り広げる冒険にはおかしなキャラクターが登場し、つらつらと流れていくモノローグとともにくるくると展開していき、着地点がわからず、まるで『ふしぎの国のアリス』のよう。深く考えるよりというよりも、迷い込んだちょっと不思議でおかしな世界を楽しんで欲しい。(文:入江奈々/ライター)

『夜は短し歩けよ乙女』は4月7日より公開中。