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最近のスマートフォンは背面に2つのレンズを搭載した、デュアルレンズ機が増えている。iPhone 7 Plusのように遠近の焦点の違うレンズを採用したり、ファーウェイP9のようにカラーとモノクロのセンサーに分け、それを合成してより美しい写真に仕上げる製品もある。ここ数年コンパクトデジカメ(コンデジ)の売り上げが急減しているが、もはや日常的に撮影する写真はスマートフォンで写したほうがキレイ、そんな時代を迎えている。

各メーカーのスマートフォンカメラの性能競争はまだまだ止まらない。メインカメラのデュアルレンズ化に続き、今やフロントカメラ性能の強化が始まっているのだ。ちょっと前までならばフロントカメラはオマケ程度の存在だったが、インスタグラムなど写真を媒介とするソーシャルサービスが普及するにつれ、自撮り写真を使ったコミュニケーションが広がっている。自撮りは自分を美しく撮影することが目的よりも、友人や家族に自分の今の気持ちを伝える写真に変わりつつあるのだ。

2017年に入ってから、フロントカメラを強化したスマートフォンが次々と発表・発売になっている。ファーウェイはライカカメラを搭載した昨年のヒットモデル「P9」の後継機として「P10」を2月に発表。フロントカメラもライカとし、フロント側でもボケの効いた美しい写真を撮影できるという。また日本向けには「nova」「nova lite」を発売。昨年発表モデルだが、どちらも自撮り用途をアピールしたセルフィー端末だ。

一方、海外に目を向ければセルフィー専用モデルとも言えるスマートフォンも登場している。iPhoneなどに美顔効果アプリ「BeautyPlus」を提供しているMeituは、フロントカメラが2000万画素以上のスマートフォンをここのところ立て続けにリリースしている。

最新モデルの「T8」は2400万画素相当のフロントカメラを搭載している。本体は女性を強く意識したオレンジなど4色展開。高級感あふれる金属ボディーと相まって、女性がハンドバッグに入れておくべき、アクセサリスマートフォンとも言える製品だ。標準で美顔効果のかかるMeituのフロントカメラは女性ユーザーに人気となっている。

2017年2月にバルセロナで開催された、世界最大のモバイル関連イベントであるMWC2017でも、フロントカメラをアピールする製品の発表が相次いだ。フランス発のWiko(ウィコウ)、中国のGionee(ジオニー)など、非大手メーカーですら新製品のポイントにフロントカメラ画質を挙げていたほどだ。

WikoのWIMは暗いシーンにも強い、デュアルレンズのメインカメラを搭載しており、室内や夜間時の写真撮影を得意としている。その画質の高さは大手メーカーのハイエンドモデルを凌ぐほどだ。しかもそれだけではなく、フロントカメラでも連写できる高速シャッターを搭載し、セルフィー連写も可能なのだ。

Gioneeはフロントに2000万画素のカメラを搭載したA1 Plusを発表。メインカメラは1300万画素+500万画素とこちらもデュアル仕様。しかしWIM同様、単純に比較するとフロントカメラの方が高画質なのだ。

これらのスマートフォンのフロントカメラは、ただ高画質に顔の表情を写せるだけではなく、美顔効果をかけることで美しい表情をプレビューしながらセルフィーが可能だ。それはカメラの中で化粧をしているかのごとく、肌の色を調整したり、シミやくすみを低減してくれるのである。

自分の顔がより美しく写るのであれば、セルフィーをする機会が増え、それを見た周りの友人たちもこぞってセルフィーを上げる。海外のSNSでは最近そんな好循環が起きているようだ。

今後はフロントカメラの画素数だけではなく、より明るいレンズを搭載し、さらには大型のLEDライトを搭載する動きも増えてくるだろう。特に室内でのセルフィーは、照明や明るさによって顔の色合いが大きく左右される。どんなにいいフロントカメラを使っても、照明が暗ければセルフィーも美しさが半減してしまうからだ。

そしてセルフィー&美顔効果は静止画を越え、今度は動画撮影時でも使えるようになっていくようだ。前述のMeitu T8はライブストリーミング時にも美顔化が可能だという。またスマートフォンを使ったライブ配信をメインユースにすることを考えた製品名を付けた、ASUSの「ZenFone Live」も、美顔効果をかけながらFacebookなどのライブストリーミングが可能だ。

このように最近のスマートフォンは次々に、フロントカメラの強化と美顔効果の搭載を進めている。いまやベーシックな機能のフロントカメラを搭載しているのはiPhoneくらいかもしれない。今年秋に登場予定と言われている次のiPhoneがセルフィー対策をしてくるのかどうか、気になるところだ。

(山根康宏)