世界初の「電動フェリー」を開発したシーメンスが、バッテリーだけで駆動する電気飛行機「330LE」のプロトタイプで、電気飛行機の世界最速記録を塗り替えたことが発表されています。

World-record electric motor for aircraft sets new records - Siemens Global Website

http://www.siemens.com/press/en/feature/2015/corporate/2015-03-electromotor.php?content%255B%255D=Corp

Siemens’s Electric Plane Just Broke the World Speed Record | Inverse

https://www.inverse.com/article/29930-siemens-plane-electric-aircraft-330le-world-record-speed-battery

シーメンスの電気飛行機「330LE」のプロトタイプには、同社が開発した重量わずか50kgの新型電気モーターが搭載されており、同等のシステムと比べると5倍相当となる260キロワットの連続出力を実現しています。シーメンスがこのプロトタイプで飛行テストを実施したところ、わずか3kmの飛行で飛行速度が時速340kmに到達し、電気飛行機の世界最速速度を記録したとのこと。これは2013年の世界最速記録を時速13.48km上回る速度です。



実際に330LEのプロトタイプが飛行している様子は、以下のムービーから見ることができます。

Electric aircraft: World-record electric motor makes first flight. - YouTube

また、この飛行テストでは「LS8-sc neo」と呼ばれるグライダーのけん引も行われ、76秒で600メートル浮上させることにも成功しています。シーメンスは2016年4月に、これらの電気飛行機の技術をエアバスと共同開発することに合意しており、今後はエアバスと協力し、世界最速記録を樹立した電気モーターを使ったハイブリット推進システムの開発が決定しています。



この件を取り上げたInverseによると、イーロン・マスク氏も垂直離着陸(VTOL)型の電気飛行機の開発を目指していますが、「少なくともバッテリーの密度が400Wh/kgに達しないと実現はできない」と断言しており、テスラの電気自動車用バッテリーでも最高で250Wh/kgにとどまっているのが現状です。シーメンスの電気飛行機技術の推進により、バッテリーのエネルギー密度の限界が大きく跳躍する可能性も秘めているとのこと。

また、シーメンスの電気飛行機部門のフランク・アントン氏は、「2030年までに100人の乗客を乗せて1000kmを飛行できる世界で初めての大型電気飛行機を完成できる見込みです」と話しています。